観光客にやさしい街、台北 東京とはこのへんがちがう

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   先日、台湾に行ってきました。純粋な観光目的で3日間。非常に楽しい旅でした。とくに、東京を歩いていて不満に思ったことが、台北ではかなり改善されているのが印象的でした。

   私が前回台湾に行ったのは2001年。今から15年も前です。当時の台湾は、バイクが道にぎっちり走っているアジアな国で、排ガス汚染が酷く、人々がカラフルなマスクをしていたのが記憶に残っています。ちょうど、5年前のベトナム・ホーチミンのような感じだったでしょうか。

コンビニにはおでんやおにぎりも

街のシンボル「台北101」がそびえ立つ
街のシンボル「台北101」がそびえ立つ

   そんな記憶をよみがえらせながら台北に足を踏み入れてみて、最初に思ったのが、

   「ここ、東京かよ!」

   バイクの数は劇的に減っており、立派な車が走っています。綺麗なレストランもたくさんあり、その中には日本のチェーン店がたくさん含まれています。

   セブン‐イレブンやファミリーマートなどのコンビニも多数。店内は、東京のそれと大差ないものでした。なにせ、おでんも、おにぎりも、カレーライスも売っています。

   そういう中で、東京と大きく違うのが、フリーWi-Fiがあちこちに飛んでいることです。しかも、日本のJRやセブン‐イレブンのように、いちいちAcceptボタンを押さなくてはならない方式のものではなく、パスワードをいれるだけか、あるいはパスワードすらなく勝手につながるものばかり。気軽にネットにつなげられるのは本当に便利です。

   ちなみに、SIMカードも安く、5日間つなぎ放題のものが1000円くらい。空港で簡単に買えます。日本では、今は安くなったとはいえ3000円以上が基本。しかも、通信量に制限があります。2000円を切るものもありますが、Amazonでしか買えなかったりでハードルが高いです。

車いす利用者も自力で乗車

   また、東京で電車に乗ると、やれJRだ、東京メトロだ、都営地下鉄だ、私鉄だ、ゆりかもめだと、乗り換えるたびにSuicaのチャージがどかどか減っていきますが、台湾ではそういうことがありません。全ての駅にホームドアが完備されており、東京のような「黄色い線の内側に下がって......」とか「10番線東京行き電車が......」どーたらこーたら的な耳にうるさいアナウンスもなく、電車が来ると落ち着いた音楽が流れ、ホームドアの上がちかちか光る仕様になっています。

   また、電車とホームのすきまが非常に狭く、車いすの人でも、誰かに手伝ってもらうことなく自力で電車に乗れるのもポイントが高いです。ついでに言うと、駅によっては「あと10秒で電車が来ます」なんて表示もされており、時間厳守が徹底されています。

   空港はもちろん、駅や店などに携帯電話を充電するスタンドがたくさん用意されており、公共の場で充電しようものなら「3銭分の電気を盗んだ」などとして摘発される東京とは大きな違いを感じさせてくれます。

   日本語が通じるところも少なくなく、食事もおいしく、物価も安く(化粧品が安いとカミさんが狂喜乱舞してました)、観光地として素晴らしい魅力を備えた街、台北。将来に向け、より多くの観光客を招き入れることを目標としている東京が学ぶべきポイントが、いっぱいあります。

   現在は、LCC(格安航空会社)の便も飛んでおり、往復1万数千円程度で、時間も東京から片道3時間程度で行けるので、みなさん、ぜひ一度行ってみてください。

   このように、観光客目線では非常に素晴らしい街に映る、台北。しかし、当地の台湾人にしたらどうなのか? 日本人にとって台湾に就職口はあるのか? といった現地事情を、次回お伝えします。(森山たつを)

森山たつを
海外就職研究家。米系IT企業に7年、日系大手製造業に2年勤務後、ビジネスクラスで1年間世界一周の旅に出る。帰国して日系IT企業で2年勤務後、アジア7か国で就職活動をした経験から「アジア海外就職」を多くの人と伝えている。著書に「アジア転職読本」(翔泳社)「はじめてのアジア海外就職」(さんこう社)がある。また、電子書籍「ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行」を連続刊行中。ツイッター @mota2008Google+、ブログ「もりぞお海外研究所
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