今回のテーマは「就活時期変更」です。
悪評ばかり目立った(高評価は変更を決めた関係者だけ)今回の後ろ倒し。どうせすぐ潰れるか、形骸化するだろうと思っていましたが、選考解禁日である2015年8月1日から、わずか1か月ほどしか経っていない9月7日に、経団連会長が見直しを示唆しました。
来年度の選考時期について、「抜本的には無理だが、何らかの改善は可能だ」、「既に準備が進んでおり、大幅に変えることはできないが、何らかの改善ができるのではないか」と、定例会見で制度変更についてコメントをしています。
「後ろ倒し」になった経緯
一方、前三井物産会長の槍田松瑩・国際大学理事長は、日本経済新聞電子版のインタビュー記事(15年8月20日配信)で、「後ろ倒しを通じて目指したものは、きちっと目指すべき」としています。
では、果たして選考時期はいつがいいのでしょうか?
まず、就活時期変更(後ろ倒し)の、おさらいを。
経団連は、政府要請を受けて、16年卒の就活時期を変更しました。15年卒までは、広報解禁(説明会・ナビ稼働開始など)が3年生12月1日、選考開始が4年生4月1日でした。
それが、16年卒では、広報解禁が3年生3月1日、選考開始が4年生8月1日。選考開始が4か月、後ろにずれました。
このため、就活時期変更を「就活後ろ倒し」と呼ぶこともよくあります。
さて、この時期変更の目的ですが、「大学生に勉強をさせるため」。これまで就活は学業を阻害している、として大学関係者を中心に就活害悪論がよく唱えられていました。
これが経済界や政府を動かし、時期変更となったのです。