帝国データバンクの「人手不足に関する調査」によると、有効回答があった企業1万794社(回答率46.1%)のうち、正社員が不足していると答えた企業の割合は37.8%にのぼった。同社が2015年2月23日に発表した。前回調査(2013年12月16日~14年1月6日から1.0ポイント上昇した。
業種別にみると、「情報サービス」が53.9%で最も人手不足感が強かったほか、「建設」や「医薬品・日用雑貨品小売」など専門知識やスキルを必要とする業種で人手不足が深刻となっている。なかでも、「金融」「旅館・ホテル」「メンテナンス・警備・検査」など、金融緩和による円安の好影響やオフィスビル需要の拡大を受けた分野で人手不足感が急拡大している。
また、非正社員では企業の24.1%が不足していると感じている。前回調査からほぼ横ばい。「飲食店」や「旅館・ホテル」「飲食料品小売」などで高く、景気の回復ムードや訪日海外旅行客数の増加とともに、消費者と接する機会の多い業種で人手不足感が強まっている。
帝国データバンクは、「いまの人手不足の状態が続くと、今後の景気回復の足かせともなりかねない」と指摘している。
なお、調査期間は2015年1月19日~31日。対象は全国2万3402社。