フランスの経済学者、トマ・ピケティ著『21世紀の資本』(訳・山形浩生ら、みすず書房、2014年12月刊)が売れている。15年1月末現在で、経済書としては異例の13万部に達した。今の資本主義下では、資本によって得られる収益が労働による賃金の上昇を上回り、格差が広がる構造的な問題を抱えており、戦争などの要因でいったん縮小していた格差は現在拡大中で、放置すれば今後も広がると指摘。アメリカなどでもベストセラーとなっている。
日本でも、ビジネス誌などがこぞって特集。テレビでも特集番組が放送され、「ピケティブーム」は加熱している。「ビジネスパーソンなら必読」との声も出るなか、実際の職場では、どのくらいの人が『21世紀の資本』を読んでいるのか。
ビジネス誌で相次ぐ「ピケティ」特集
最近のビジネス誌では、「週刊東洋経済」が2015年1月31日号で「ピケティ完全理解」と題した大きな特集を組み、「週刊ダイヤモンド」も、2月14日号で、「そうだったのか!ピケティ」企画を載せている。週刊誌でも、「週刊現代」(1月17・24日合併号)が「5分で分かる!トマ・ピケティ『21世紀の資本』」の記事を掲載した。
ツイッターでは、「先日、話題の本『21世紀の資本』を購入しました。僕は経済学部を出たわけではないのでなかなか読み進めないのですが、読破してウンチクを語れるようになりたいです!」と、意識の高そうなつぶやきも見られた。
IT企業を経営しているという人物のアカウントからは、「ピケティ『21世紀の資本』重要そうなところはあらかた読んだので、参考図書として東洋経済と現代思想の特集号も買ってみた」と、これまた忙しいビジネスの合間を縫って、分厚いピケティ理論を読みこなしている様子も伺える。
また、「職場では『いまどき、ピケティくらいは読んでおけよw』みたいなコミュニケーションがあるのですが(そういうところが、とても気に入っている)、他でもそういう感じなんですかね?」というつぶやきもあった。