先日から話題になっている、テレビ局の「女子アナ内定取り消し」。ホステスのアルバイト歴を理由に、内定を取り消された女子学生が、入社を求めて裁判を起こした件です。さて、このコラムでも時々触れておりますが、私も学生時代に「キャバ嬢」を経験しました。なので、この件に関する世間の反応は気になります。特に今回は、男女関係なく、多くの人が、このニュースについて知りたがり、そして語りたがっているように感じたのです。
このモヤモヤ感の正体とは?
女子大生の主張によると、テレビ局側が「内定を取り消した理由」はハッキリしています。やや、直接的な言い方をすれば、「女子アナには清廉なイメージが求められるのに、彼女は清廉性のないホステスだった。しかも、そういうアルバイト経験を申告しなかったことは『虚偽申告』にあたる。取消は当然」ということでしょう。この主張に潜む「差別的な感じ」が、多くの人に直感的なイヤらしさを感じさせたのではないでしょうか。
ただ、こうした「理由」に、ちょっと「納得」してしまった人もいるかもしれません。「女子アナってやっぱり、イメージが重要だからね。内定取り消しは、仕方がないだろう。彼女は可哀想だけど・・・」。でも、それを言おうものなら、「あなたも女性差別主義者なんですね」と、白い目で見られる可能性は大です。
なぜなら、そういう人は、男性と女性で、押し付けられるルールが異なる「ダブルスタンダード」を肯定していることになるからです。「水商売歴で差別される女子が多い一方、キャバクラなどに通っている男性は、女性ほどには差別されない」「女らしさを売るのは『清廉性に欠ける』が、それを『買う』男性は『清廉性』を問われない」。そんな「ダブルスタンダード」を肯定はできない、でも、どこかモヤモヤする感じが残るという人もいるでしょう。このモヤモヤ感の正体とは何でしょうか。