労働時間規制の改変をめぐる議論の中で、「残業代ゼロ」のキーワードが登場したこともあり、あらためて「残業」に注目が集まっている。
残業といえば、長時間残業、サービス残業など、「ブラック企業」のイメージとつながりがちなネガティブな捉え方をする人も少なくないが、中には「ドキドキする、ときめく残業」もあるようで…
「僕に話しかけてもらいたかったのかな」
質問サイト「yahoo知恵袋」には、こんな投稿があった。複数の仲間と時間を合わせて帰宅することが多い同僚女性が、ある日珍しく単独で社に残り、帰り際に質問者の男性の席を訪れて笑顔を見せたという(2013年11月3日)。
男性は「その女性が僕と2人きりになる時間をあえて作ろうとしていたのかな」「僕に話しかけてもらいたかったのかな」と期待(妄想?)をふくらませている。
回答には「自己中心的な妄想癖」があると指摘しつつ、「脈ありと思ったら、デートに誘う」ことを勧めるコメントがあった。
この2人の関係が、その後発展したのか、しなかったのかはともかく、残業には、会社での日常業務から離れて特定の相手に近づくきっかけをもたらしてくれる側面もある、ということが分かる。
また、アラサー女子向けの情報サイト「女子SPA!」には、「絶滅寸前の『職場恋愛』をできる人は●●が多い」(2013年10月18日)という記事があった。「●●」に入るキーワードは何か、分かるだろうか。
記事では社内恋愛の体験談と、ネットによる独身女性の実態調査(マッチ・ドットコム ジャパン実施)の結果が紹介されている。その調査によれば、「職場の人と交際している」と回答した人の割合は、日々の残業時間が0~1時間の場合は3.4%。4~5時間の場合は28.6%となっている。そう、「『職場恋愛』をできる人」は、「残業」が多いのである。
独身者にとって残業とは、一種「出会いの場」でもあるのだろうか。先の質問者も、あながち「単なる妄想癖の人」とは言い切れないのかもしれない。(RH)