会社の管理職が不倫――とひと口にいっても、さまざまなケースがある。不倫相手が、部下、派遣社員、取引先関係者、部外者……。「不倫は全部ダメ」という主張もあろうが、こと会社が何だかの対処を検討する、という話になると、「相手」の違いは重みをもってくるようだ。
そうした「相手」がはっきりしない「不倫告発」文書が届いた場合、人事担当者はどう対処するべきなのだろうか。即調査か、それとも…
調査に二の足を踏んでしまう
金融機関の人事担当者です。先日、当社人事部宛てに匿名の書簡が送られてきました。
そこには「○部門のA課長が不倫をしています。社内調査と処分の必要があります。お金を扱う会社では誠実な対応が求められます」という内容が書かれていました。
当社では、社内不倫に対しては事実がはっきりすれば厳正に対処しており、過去には「処分」例もあります。
A課長は、イケメンで仕事も優秀だと有名です。噂のひとつやふたつはあるようですし、詳しく調査すれば何か証拠が出てくるかもしれません。
しかし、今回の場合二の足を踏んでしまうのは、外部か内部かわからない匿名通報であることです。不倫相手の記載がないなど、漠然とした告発内容で、具体性に欠けている点も気になります。本人の評判がいいだけに、単なる妬みである可能性もあります。また、業務への支障は、今のところ報告されていません。
本人に問いただしたり、調査のアクションを起こしたりすることはプライバシーの侵害にならないでしょうか?
逆に会社が私生活に介入することでプライバシーの侵害と訴えられたりしないか心配です。