学歴生かせない仕事への転職は「パワハラ」が原因
高学歴を仕事に生かせない、学歴効果が表れない――そんな人たちを「SPA!」2013年7月2・9日号で特集していた。名だたる名門校を卒業しながらも低収入にあえぐ35歳以上の人たちを取り上げたのだ。
東大卒業後、就職先が見つからずに5年間ニートで過ごし、現在はシステム会社勤務で年収280万円の男性、京大大学院を出て国家公務員になりながら、「女湯のぞき」の疑いで現行犯逮捕、その後クビになっていまはバイト生活というエピソードもある。
一方で、上司のパワハラに耐えられずに会社を辞め「人生がおかしくなった」という早大卒の男性。音響機器メーカーに就職したものの深夜までかかる残業を押し付けられ、手柄は横取りされて心身を病んでしまったそうだ。現在はビル管理会社だという。ストレスはないが年収が高いとはいえず、学生時代の友人とは「恥ずかしくて合わせる顔がない」と嘆いた。別の早大卒の男性は、鉄道会社子会社に入ったものの「72時間連続労働」を強制されたうえ、「早稲田出てるのに使えねぇな」といじめられてうつ病になったそうだ。
誌面に登場したすべての事例がそうだとは限らないが、中には高学歴が現在の仕事内容とは無縁の人もいる。資格を得て独立を目指す人の場合は知力を生かせるだろうが、独立して自力で稼ぐまでには時間がかかる。先述の濱口氏の指摘にあった、一度就職システムから外れた人は、その後に能力を発揮する場が与えられないという厳しい現実が、重くのしかかってくる。