新年度が始まって4日目。新入社員を迎えた職場では、早くも「ゆとり世代」との衝突が起こっているようです。IT系商社に勤める30代のAさんは、新人に業務説明をしているとき、その態度に驚きました。
「私が前でしゃべっているのに、新人の1人が下を向いてスマホをいじってるんです。カチンときたんですが、心を落ち着けて『何してるの?』と聞いたら、『え、メモ取ってるんですけど…』と言われたんですよ」
「常に携帯しているから、いつでも読み返せる」
他の4人の新人は緊張したように姿勢をただし、紙のメモを取っていましたが、その男性だけが椅子に寄りかかって、机の下のスマホを操作していました。
Aさんは「話は相手に顔を向けて聞いてね。それからメモは紙に書いて。営業先でそんなことしてたら、お客に嫌われるよ」と言って、紙のノートを持ってこさせたそうです。
呆れたAさんは説明会のあと、同僚のBさんにそのことを打ち明けたところ、「いや、そのくらいいいんじゃないですか」とあっさり言われてショックを受けました。
「メモは紙に書いても、後で読み返さないと言うんです。でも、常に携帯しているスマホなら、いつでもチェックできる。あとから書き足したり、整理しなおしたりするのも便利だと言うんですが…」
Bさんは数年前に新卒でウェブ系の会社に入り、最近転職してきた後輩。彼の前職の会社なら「たぶん何の問題もない」と首を傾げられました。
営業先では紙のノートだろう、と反論したところ、「確かにスマホは効率悪いですが、前職の営業は客の前でノートパソコンを開いてメモを打っていましたよ」という返事が。
しかし、話を聞く相手の顔や目を見るとか、そういう態度は重要ではないか。そこだけは譲れないとAさんが主張すると、Bさんは「態度だけ重視しすぎても、あんまり意味ないんじゃないっすかね」と、やはり異論をぶつけてきたそうです。