現在、日本は人口減少のまっただ中で、サービス業の仕事も減少しています。例えばスキー人口は、2000年ころと比べて約25%減っており、特に若い人の新規流入が減っています。
これにより、スキーのインストラクターの仕事が少なくなって、給料も下がっていると知人が言っていました。ただ、このような状況下でも給料を上げる方法があります。そのひとつが「中国語を覚えること」だそうです。
才能が必要ないレベルでも複数あれば突出できる
今、日本のスキー場には中国からたくさんの観光客が訪れ、初めてのスキーを楽しんでいます。
彼らには、板の装着の仕方からリフトの乗り方まで、ゼロからのレクチャーが必要です。家族連れで来ることも多く、年配者や子どもは英語が理解できないこともしばしば。それゆえに、「中国語でスキーを教えられる人」の需要は上がっているのです。
様々な分野でいえることですが、安定して仕事を受けられるようになるには、ある分野で突出している必要があります。そして、突出するためには「努力」だけでは達することができない場合も多々あります。
スキーでいうと、「クラウン」というレベルに達し、プロスキーヤーともなれば、希少な人材として生き残ることはできます。しかしその領域に至るためには特別な「才能」が必要で、誰もがなれるわけではありません。
一方で「才能」が要らないレベルのスキルは、お客さんが減少したり参入者が増加したりしたときに大きく影響を受けます。海外に仕事を取られてしまうこともしばしばです。
そんな天賦の才能がない(世界のほとんどの)人たちは、どうやって生きていけばよいのでしょうか。私は、それなりの難度のスキルを複数身につけることによって、ニッチな分野で突出するのが得策だと思います。
例えば「スキー」というスキルに「中国語」を組み合わせて、「中国人にスキーを教える」というニッチな分野で突出するというわけです。
重要なのは「組み合わせ」。難易度だけ高くても無意味
スキーのインストラクターになるためには、最低でもスキー検定2級、できれば1級以上が必要です。TOEICでいうところの800点以上をとるくらいの練習が必要になるので、決して簡単ではありませんが、懸命に練習をすれば多くの人が到達できます。
中国語も非常に難しい言語ですので、簡単に身につけることはできませんが、中国人のスキー初心者に指導するにはそれほど複雑な表現も必要にはなりません。それぞれは中くらいのレベルでも、それを組み合わせることで希少人材になるのです。
ここで大切なのは、何と何を組み合わせるかということ。「簿記3級」や「TOEIC600点」では、簡単すぎて参入者が多すぎます。また、いくら難易度が高くても「スキー検定1級」と「漢字検定1級」では相乗効果がなく意味がありません。
それなりのレベルで、相乗効果があるスキルの組み合わせを見つけること。これが今後の世界をサバイブしていくためのひとつの方法なのです。
すでに社会人として5年ほど働いている人は、何らかの分野で「簡単には達することのできないスキル」をお持ちだと思います。しかしそれ単独では弱かったり、将来的に陳腐化したりすることもあるでしょう。
ならば将来の事を考え、「いまのスキルに何を組み合わせると、他の人に仕事を奪われない人材になればよいのか」。そんなことを考えてみてはいかがでしょうか。(森山たつを)