業績悪化により、会社負担による「忘年会」や「新年会」が行われなくなったり、予算が削減されたりするケースが増えているようだ。その一方で、「運動会」など新しい社内イベントを増やしている会社も見られる。
ある会社では、社内イベントによって職場の一体感を回復したと自負する営業部長が、「中堅社員の中にイベントに参加しない社員が現れたのでなんとかしたい」と人事に相談しにきたという。
「チームの一体感」を重視してここまで来たのに
――専門商社の人事です。営業部長のAさんが相談にやってきました。入社5年目のB君が、職場の忘年会と新年会に参加しなかったのだそうです。
「あいつ、『私は仕事では迷惑かけていませんし、飲み会でどうこう言われる筋合いはありません』だってさ。ああいう協調性のないヤツは、会社で処分できないのかね」
4年前にAさんが部長に就任するまで、営業の成績は散々なものでした。部下たちは上司の言うことを聞かず、バラバラだったのです。
それをAさんが「チームの一体感を大事にしよう」と呼びかけて、懇親会やミーティングの回数を増やし、コミュニケーションを活性化させてここまでやってきたのでした。
Aさんの目には、チームの中で育ってきたはずのB君が「最近仕事に慣れてきて、成績が上がったからといって、急に生意気なことを言うようになった」と映っているようです。
B君は飲み会自体が嫌なわけではなく、仕事帰りに後輩たちを引き連れて飲みに行っています。別の営業社員によると、よからぬ話もしているようです。
「最近は飲みながら、部長や会社の文句を言っています。こんな面倒くさい会社なんか辞めて、転職しようかとも言ってるんです」
こんな話がAさんの耳にも入っていることで、処分できないかという相談になっているようなのですが、こういうとき、どう対処したらいいでしょうか――