何回言っても、従業員の遅刻や欠勤がなくならない。かといって、いちいちクビにしていたら人が足りなくなる――。そんな状況では、抑止力として「罰金」を使いたくもなるだろう。しかし、厳しすぎるペナルティは違法になるおそれがあるようだ。
ある飲食店では、遅刻や欠勤の多いスタッフのために厳しい罰金制度を設けた。すると、男性スタッフが退職したあとに、労働基準監督署から「書面」が届いたという。
「こうでもしないと時間を守らない奴ばかり」
――都内キャバクラの店長です。当店では男性スタッフの勤怠管理のために、罰金制度を設けています。遅刻したら1万円、当日欠勤で3万円。この方法は前に勤めていた店とも同じですし、この業界では昔からやっていることです。
いずれも日給を超えるので、傍から見ると厳しすぎると感じるかもしれませんが、こうでもしないとちゃんと時間を守らないし、平気で無断欠勤するものばかりなのです。採用するときに、
「時間はちゃんと守れよな」
と念を押して、ハイとは答えるものの、すぐに約束を破ります。
罰金があっても破るのだから、罰金がなかったら大変なことになります。時間を守る奴を雇えばいいのでしょうが、そういう人材はなかなかこの業界には来ないですね。
先日、ある男性スタッフが辞めたあと、労働基準監督署から書面が送られて来ました。どうやら罰金制度に問題があるようです。社長に報告したところ、
「罰金がなければ、この業界は成り立たんぞ。実情を知らない奴らが甘っちょろいことを言ってるだけだろ?放っておけや!」
と突き返されてしまいました。こういうとき、どうすればいいのでしょうか――