スマートフォンの急速な普及で、ツイッターやフェイスブックなどソーシャルメディア(SNS)の登録会員も増えている。メールの代わりに、SNSのメッセージ機能を使っている人も少なくないようだ。
とはいえ、全体からすると普及率はまだまだ、と思わせる調査結果もある。若手ビジネスパーソンを擁するマイナビニュース会員(男性329人、女性472人)の「SNSをやっていてよかったと思うことランキング」では、「SNSはやっていない」が男女とも1位になってしまった。
やらない理由「他のことをないがしろにしそうなので」
「やっていない」と答えた人の割合は、男性では34.4%、女性では24.2%。ネットユーザーを抱えるマイナビニュース会員でさえこの程度なのだから、全体を見ればさらに多くの人が「SNSって何?」と考えている可能性が高い。
やっていない人からは、こんなコメントがあがっている。
「何をするものか、よくわからない」(34歳男性、秘書)
「やりたいが、時間がない」(30歳男性、販売)
「人間関係が面倒そう」(26歳女性、マスコミ)
金融業界に勤める24歳の女性は、SNSに没頭して時間を取られると「他のことをないがしろにしそうなので」避けている、と答えている。「そんなことしてるほどヒマじゃないんですよ」ということか。
そういえば、デビュー20周年を迎えた安室奈美恵さんも、あるインタビューで「インターネットがない時代に育ったから(芸能界の第一線で)20年続けられた」と振り返っている。彼女が10代のころは情報が少なく、憧れのジャネット・ジャクソンのライブビデオばかり見ていた。
おかげで、売れなかったデビュー当初も諦めることなく「夢を絞り込めた」というわけだ。物心ついたときからパソコンやケータイが当たり前のようにあった世代からは、信じられない世界かもしれない。
SNSはお互いの書き込みが、お互いの暇つぶしとなる相乗効果を生む。ただ、そんな暇つぶしばかりしていていいのか?と疑問を持つ「しっかり者」もいることを知っておきたい。
「自分の考えを発信できる」というほど大したものなのか
SNSをやってよかったランキングの2位は、男女とも「昔の友人との再会」。
「高校の同窓会に参加できた」(27歳男性、金融)
「昔の仲間の近況はおもしろい」(29歳女性、電力)
とはいうものの、昔の友人と再会する必要性を感じない人もいるだろうし、同窓会の案内は電話や手紙、メールでも届けることができる。
「情報収集」や「自分の考えを発信できる」をあげる人もいるが、新聞ひとつ購読せず、素性の分からない人の噂レベルの投稿を真に受けて「ナントカ利権の陰謀だ!」などと騒ぎ立てることに、大した意味を感じない人もいるだろう。
これまでSNSをやらなかった人たちの中には、これからもやらない人がいるに違いない。彼らは貴重な機会を逸しているのか、それとも時間の無駄遣いをせずに済んでいるのか。