Q&AサイトのOKWaveに、こんな相談が載っていました。就職活動中のmay2012さんは、自分の字に自信がありません。ていねいに書こうとして力むと右腕が痛くなってきて、何度も書き直しているうちに、どんどんひどい字になってしまいます。
このたび一般事務の求人を出している会社に、履歴書と職務経歴書を提出することになりました。こんなときは、どんなに字が汚くても、やっぱり手書きが一番なのか。それとも手書きの汚さをカバーし、パソコンのスキルをアピールできるパソコンで作るべきなのか。
手書きには「最低限の学力チェック」の意味があった
ある地方都市の社会保険労務士によると、地元の中小企業やスーパーでは、市販の履歴書にボールペンで手書きにするのが一般的だそうです。ある会社でパソコン作成の書類で採用したら、簡単な漢字も書けないし、ひらがなや数字も汚いしで、伝票作りもままならなかったといいます。
「手書き書類の提出は、最低限の学力チェックの意味があります。経営者の大切な『自衛策』なんですよ。東京の大卒インテリが『手書きなんてバカじゃないの?』と批判しますが、求職者の水準がまったく違う。現実を知らずに口を出すなと言いたい」
とはいえ、こういったケースは例外中の例外。書類で重要なのは、その内容です。言葉遣いが正しいか、志望動機のつじつまが合っているか。ウソが書かれていなさそうか…。パソコン作成の書類でも、チェックポイントはたくさんあります。
従事する仕事が一般事務なら、なおさらパソコンの利用が避けられません。複数の会社に提出する手間を考えても、データで管理できて簡単に内容を更新できるパソコン作成は、もはや定番といっていいでしょう。
手書きより印刷の方が、相手にとって読みやすいのも理由になります。自筆の美しさに自信があるのなら、個人の判断で手書きにするのは自由です。ただ、回答者のsukekenさんのアドバイスのように、
「最後ふたりのどちらかで迷ったとき、何を参考に決めるのでしょう? …私は、必死さが感じ取れるものに興味があります。というか、それが普通だと思うけど」
という精神論で他人が勧められるものなのか。必死さは手書きの方が伝わりやすい保証はないし、少なくとも「普通」とはいえないのではないでしょうか。