日本で就職活動を行っている留学生1100人を対象としたアンケートによると、日本で就職したい理由に「日本語などの語学力を活かしたいから」と答える留学生が62.0%を占めたという。
日本で何年くらい働きたいかという問いには、「1~3年」(13.5%)や「4~6年」(22.8%)と期限を切る学生もいたが、一方で「10年以上」(18.4%)「永住したい」(32.8%)という留学生も多く、合計すると半数を超えた。
「日本語レベル」苦にする人、わずか17%
この調査は2012年1月に、パソナグループが「外国人留学生のための合同企業説明会」で実施したもの。就職先の企業を選ぶ基準は「興味のある業界であること」「将来自分のキャリアアップのためのノウハウが学べそうな企業」などが上位で、「給与などの待遇が良い企業」は6位にとどまっている。
現在の希望職種は「貿易実務」が48.5%と高く、次いで「通訳・翻訳」「商品・サービス開発」「人事」が続いており、専門性の高い職務への志向が高い。日本で長期間働きたい学生も多く、スキルを身につけたらすぐに母国に帰りたいという留学生ばかりではない。
目を引くのは、就活する上で困っていること(複数回答)について、「企業が求める日本語能力のレベルが高すぎる」と答えた人が、わずか16.7%しかいなかったことだ。母国の文化に詳しい上に、日本語を苦もなく操る留学生は、日本人学生の強力な就活ライバルとなりそうだ。
また、就活をする上で困っていることの中には、「SPIや適性検査など日本独自の筆記試験が外国人には難しい」という回答が32.2%あった。日本人学生にとっては助かるが、世界中から優秀な人材を集めたい企業には不要な「参入障壁」であり、それにふさわしい新たな選考方法を編み出す必要があるのかもしれない。