内定者研修で幻滅! こんな会社、入りたくないです…

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   4月1日からの新年度を前に、すでに入社式を済ませた会社もあるようだ。「仕事にいち早く慣れてもらうため」というが、学生気分はそう簡単に切り替えられるものではないだろう。

   ある会社では、内定者研修を受けている最中の学生が、入社を前にして「こんな会社に入って大丈夫なのだろうか」と不安を募らせている。

「快適なライフスタイルの提供」なんてウソだろ

――間もなく大学を卒業する男子大学生です。先日、不動産会社からようやく初めての内定をもらいました。エントリーシートを100社近く出したのに撃沈続きで、もう就職先が見つからないのかと諦めかけていたので、とりあえず喜んでいました。

   ただ、内定者向け研修に出てから、言いようのない不安が募っています。今回は会社組織の説明を受けたのですが、次回以降は

「早く戦力になってもらいたい」

ということで、営業の具体的手法の説明に移るそうです。

   そこで、予習用に「営業トーク集」を渡されたのですが、中身を見てビックリ。クロージングの部分などを見ると、お客さまをどうやって丸め込むかの研究ばかりで、販売最優先、儲け至上主義としか思えません。

   もともと不動産業には興味を持っていなかったのですが、以前の会社説明会で採用担当者が、

「我々の使命は多くの人に快適なライフスタイルを提供することです」

と言っていて、その言葉に惹かれて興味を持ちました。しかし、今回の研修の印象は全く異なります。

   僕は何でもいいから、社会的に有意義な仕事をしたいと思っています。しかしこのままでは、自分の会社と社員さえよければいいような、ダサい会社に飼われた社畜のひとりになってしまいそうです。

   友人たちの中には、数人でスマホアプリ開発の会社を作ったり、内定を蹴ってNPOに参加したりする人も出ています。そういうのを見ると、自分はこんなことをやっていていいのかとイライラします。どうすればいいのでしょうか――

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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