「週刊ポスト」2012年3月9日号に、女性社員の肩を叩いて励ました大手企業のA部長(54)が、セクハラを訴えられて自主退社に追い込まれたという話が載っていた。以前から「コミュニケーションをとるつもりで」、肩を叩いたりお腹をつついたりしていたが、それを「身体に触られる」と嫌がる社員がいたことに気づかなかったようだ。
女性社員が社内のセクハラ委員会に駆け込んだとき、部内では「ありえるかもね…」という雰囲気になってしまったという。普段の行いが悪かったのか、いざというときにかばってくれる人がいなかったのが痛い。
上司の肩揉みに「もうちょい上」という30歳
とはいえ、下手にかばえば「セクハラを甘く見てるんじゃないの?」と責められそうだ。A部長が別の部署に異動しようにも、変なウワサを立てられては仕事にならない。
このエピソードが事実かどうかはわからないが、ネット上ではA部長の警戒感のなさに呆れる声などが見られる。
「もうマジックハンドでたたけ」
「オッサンだらけの職場で良かった!」
「平成になって20年以上たってるのに、女に触れるとかただの馬鹿上司だろ」
しかし、あまりに警戒が行き過ぎると「ギスギスした職場」の原因になってしまうのではないか。同じく「週刊ポスト」2011年5月20日号には、セクハラに大らかな職場の雰囲気を伝える座談会が載っていた。
旅行会社に勤める30歳のチズさんの上司は、「おつかれ~」などといいながら女性社員の肩を揉むのが得意だ。友人は「ありえな~い。スケベ心見え見え?」というが、チズさんは肩こりなので
「大歓迎」「いつも『もうちょい上です』とかいって、10分くらいやって貰ってる」
という。
また、飲み会での「オヤジのエロトーク」も「大爆笑すると疲れが取れるから」好きなのだそうだ。何がセクハラになるのか、受け取り側によって大きく異なる例といえるだろう。自主退社したA部長も、この職場でならセクハラを気にせず楽しく職場生活を送れるに違いない。