「この記事って、知ってました?」。都内で働く30代の会社員Aさんと話していた時のこと。iPhoneにわざわざブックマークしてあったウェブのページを見せてくれました。
「iPhoneは、ソフトバンクとauのどっちがいいの?山手線で実際に比べてみたら、驚愕の結果に…!」(らばQ)
ぜんぜん知らなかったです。読んでみると、東京の山手線内を電車に乗りながら1周し、音声通話の状態がどうなのか、ソフトバンクとauとで実験をしてみたようです。
メールがメインだが、わりと通話もしている
その結果、ソフトバンクで通話できたのが最長8分だったのに対し、auは最長50分弱と、決定的ともいえる差がついてしまった、と。
しかも、約1時間20分の実験中、ソフトバンクは切断が28回(auは2回)、発信失敗が17回(auは0回)もあった…。
ソフトバンクのiPhoneユーザーであるAさんは、知人から教えられて記事を知り、「何だか不安になった」のだそうです。とはいえ、ソフトバンクのiPhoneを使っている人は、ほとんど音声通話なんかしないんじゃ…?
「たしかにメールがメインですけど、仕事で使ってるとわりと通話はしますよ。会社へのちょっとした連絡とか。で、言われてみれば、通話が中途半端に切れたり、なかなか発信できないことって、あったな、と。こっちのいる場所の電波が悪いのかと思って、そそくさと移動したりしてましたから」
それにしても、電車内では通話はしないでしょう。駅のホームや構内でじっと立っているとか、ゆっくり歩いているぐらいだったら、問題なくつながるのでは?
「まあ、電車内では自分からはもちろん、かかってきても話さないですね。構内でどうだったかは覚えていないですけど。そもそも、仕事以外で通話する時は『LINE』っていうアプリを使うことがほとんどなんで」
「LINE」って、いわゆるインターネット電話(VoIP)ですよね。登録してある相手との通話だったら、通信会社が違っていても無料で話せるっていうやつ。それだったら、フツーの電話はあんまり関係ないのでは?
「通話専用機」になりそうな筆者としては…
「そこが足下を見られているようで、何だか不安になるわけですよ。おまえら、どうせネットしか使わないんだろ的な、電話もネットでできるんだからいいじゃん的な、上から目線で言われてる感じがして。2年縛りが終わったら、やっぱり別の通信会社に乗り換えようかなぁ、なんて考えちゃいますね」
うーん、気にしすぎてるんじゃないかと思う部分もありますが…。
この記事にある実験が技術的に正しいのかどうか、判断の根拠を持ち合わせていないので何とも言えませんが、通信インフラとして信頼できなくなるというAさんの不安もわからなくはありません。
この記事にしても、突然思い立って実験をしたわけではなく、何かしら以前から疑問があった、あるいは周囲から疑問を聞かされていたからこそ、時間と手間をかけてやったのではないかと推測します。
とりあえず、メールよりも電話で仕事をすることの方が圧倒的に多い筆者は、こうした記事があえて出てくるぐらい「不安がある」という通信会社を使うことには、二の足を踏んでしまいます。
ほとんど有効に利用されていない自慢のiPhone4S(白)が、いつ通話専用機となるかわかりませんので…。
井上トシユキ