「クレームにはメールじゃダメ」 今どきの営業マンにどう教えるか

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   お客さまからクレームを受けたときには、営業マンはまず「電話をかける」「謝りに伺う」など、直接対応してこちらの誠意を示すことが基本です。それなのに部下がメールでの謝罪のみで済ませようとしていたら、どうでしょう?

   お客さまは自分の苦情に対して、真摯に受けとめてほしいと思っています。それなのに、メールを通して謝罪されて終わりでは、自分の苦情を軽く扱われていると考え、会社の誠意のなさに余計腹をたててしまいます。

非常識を頭ごなしに叱っても通じない

   これでは大切なお客さまの信用を失うだけではなく、さらに大きなトラブルへと発展する可能性も出てきます。しかしここで「お客さまが怒っているのに、メールで謝ってどうするんだ!」と叱っても意味はありません。なぜそれがいけないのかが、わかっていないのですから。

   大切なのは、お客さまは何か問題が起こった時には、まず会社側が直接謝りに来るのが当然だと思っている、ということを理解してもらってください。

   まず、「自分の苦情に対して、『すみません』という謝罪のメールだけで処理されたら、君ならどんな風に感じる?」と尋ねてみてください。さらにここまで聞いてもわからない人が多いと思うので、

「僕だったらメールで謝ってこられたら、『反省しているんだろけど自分とは会いたくないんだろうな』と思うよ。そしてそんな人とは次からもう仕事しないと思うけど、君ならどう? メールだけで謝罪を終わらせるのは会いたくないという意思表示。本来仕事は継続していくものだから、このままそのお客さまと仕事を続けていきたいのなら、きちんと直接謝りに行った方がいいと思うよ」

と、“こうした方が君の将来にとってベターなこと”だという風に説明してあげることが大事です。

   また、たいていの営業マンというものは、自分の失敗や苦情を公にすれば自分の成績に響くと考えて、上司に報告するのを嫌がります。部下がお客さまからのクレームを報告していないことが分かったとき、そうすればよいのでしょうか。

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
「高城幸司の社長ブログ」
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