約20年間勤めた会社を退職する最後の出社日に、社長を殴ってしまった男性会社員が現行犯逮捕された。「社長への長年の恨みがたまっていて」やってしまったらしい。
この会社員に対しては、ネット上で「かわいそう」「無罪にしてあげたい」と同情する声や、早まった行動を諌める声などが多数あがっている。彼と同じような気持ちで日々働いている人も少なくないのだろう。
退職金もらっても慰謝料でパー
62歳の会社員が勤務先の食品倉庫で、12歳年下の社長を殴ったのは2011年11月8日の午後4時10分ころ。就業時間内なら在籍中となるので、懲戒処分もありうる。
「5時が終業時間だとすると、あと50分で円満退職だったのにね」
「4時終わりとかだったら、殴る機会を待ち構えていたわけだな」
懲戒解雇なら20年分の退職金も支払われない可能性は高いが、「業績悪いからやっぱり退職金ナシ!と社長に言われてカッとしたのでは?」「60歳でいちど退職金をもらったからできたことだろ」などと勝手な想像をする人たちもいる。
ただし、暴行は当然のことながら犯罪行為。傷害罪となればややこしいし、社長から治療費や慰謝料を請求されれば多額のお金が出ていくリスクが高い。やはり、
「グッとこらえて、ニヒルな一言を残して去るのが男ってもんじゃねえの?」
「誰もいないの確認して、会社の前で唾吐くくらいで止めとけよ」
というところが現実的だったのだろうか。「翌日に行ってやらかせばよかったのに」という声もあるが、同じことだ。
一方、実際に殴った経験のある人からは「やらないと一生後悔する」「やり残し感がなくなってすっきりするぞ」という意見が。被害者の社長が警察に通報したことに対して、「器が小さい」とユニークな批判を展開する人もいた。
「その後、一緒に酒飲むだろう普通。会社の上下関係というしばりを外して…」
殴ったことを咎めずに、「お疲れ様、いろいろ悪かったな」「いえ、こちらこそ20年も雇っていただいて」などと労をねぎらい合って、杯を交わせばよかったというわけだ。しかし、それが可能なら、もともと殴るということもなかったに違いない。