就職活動において、何かと気になるのが「面接時のマナー」。あいさつや敬語の使い方、質問への切り返し方などについて、ネット上でさまざまな情報が交換されている。中でも、意見が分かれているのは「ノックの回数」だ。
ノック2回は「トイレ」を連想
ふつうノックといえば、「トントン」と2回たたけばよさそうなもの。しかし「2回はダメ、3回にすべき」というアドバイスも少なくない。理由は、
「2回はトイレのノックを連想させ、下品なため」
だそうだ。一方、「ノックは4回」がベストという説も。「Yahoo!知恵袋」には、
「3回は親しい相手に対する回数であり、4回は初めて訪れる所や礼儀の必要な相手に対する回数です。単に4回ノックするのでなく、2回+2回する方が、日本人的に印象が良いらしいです」
さて、本当のところはどうなのだろうか。英国留学の経験もあるマナー講師、ウィズの西出ひろ子氏によると、ノックは3回が無難だという。
「ヨーロッパでの常識では、2回はトイレ、3回以上はその他の部屋です。日本のビジネスマナーでは、オフィスや面接においては3回とされています」
ツイッター上には、「人事の方から『今日面接した中で、正しく3回ノックしたのはあなただけだった』と言われた」というつぶやきも見られる。回数をいちいち数えている面接官も、実際にいるらしい。
もっとも、中堅商社で採用を担当するAさんのように、気にしないという人も。
「普段のビジネスにおいて、ノックの回数が重視される場面はないですからね。面接時にだけ神経質になることは無意味ですし、それが採否を分けることはありえません。海外とのビジネスマナーとして必要ならば、入社して覚えればいいことです」
念のため、秘書技能検定の事務局に確認すると、「ノックは何回なら○、何回なら×というような問題の出し方はしておりません」。
とりあえず自分のノックは3回と決めておき、他人のノックは2回でも4回でも、いちいち目くじらを立てないというのが、無難な大人の対応ということになるだろうか。