急増するiPhone使いの若手社員「通話は嫌いなんですけど」

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   知人らと飲食をする際、話題がIT機器についてのことになることは、もはや珍しくもありません。

   先日、会食をしていて出てきたのは、ケータイとスマートフォンに関する「文句大会」でした。

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「電話で割り込む非ユーザーがわずらわしい」

「この前、送られてきた料金表に、『パケット定額制の契約でなかった場合の料金は、80数万円です』って書いてあって。元の料金体系が異常なだけなんじゃないの? と首を傾げたくなったわ」

   20代の女性会社員です。

   彼女は、ケータイで動画を視ることが多く、そのせいで高額になっている、ということは理解しています。

   ただ、「本来の料金は」なんて書く必要があるのかってことと、パケット定額制を選んだら「無料通話分」がいくらか減らされていたことに、ちょっと納得がいかないのだそうです。

   「まあ、インフラの新設、更新、メンテなんかで、キャリア(通信会社)も大変なんだよ」と引き継いだのは、30代前半の男性会社員。

「今年の新入社員は、驚くほどiPhoneユーザーが多い。僕のまわりでは10人いたら、5、6人は使ってるんじゃないかな。仕事相手でも持ってる人がけっこういますよ」

   問題は、iPhoneしか持っていない相手が面倒なことなのだとか。仕事上のトラブルで緊急で電話をかけても、相手がiPhoneだと、

「なんスか? 通話じゃなくてメールでお願いしますよ」

と、かなりの確率で「通話嫌い」のユーザーに遭遇してしまうといいます。

   iPhoneアプリを使ってやりとりをしているユーザーは、通話で割り込んでくる非ユーザーがわずらわしくなるようです。

「なんで10年選手のオレが、仕事のことで新人に怒られてる感じになってるんだよ、とソフトバンクに文句の一つも言いたくなる」

   通話嫌いのビジネスマンって、コミュニケーション能力は大丈夫なのかと、そっちのほうが心配です。

   生活上の重要度が上がり、日常と切り離せない道具になったからこそ、ケータイもスマートフォンも共通の話題として「酒の肴」にもなるのでしょうね。

井上トシユキ


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井上トシユキ
1964年、京都市出身。同志社大学文学部卒業(1989)。会社員を経て、1998年よりジャーナリスト、ライター。東海テレビ「ぴーかんテレビ」金曜日コメンテーター。著書は「カネと野望のインターネット10年史 IT革命の裏を紐解く」(扶桑社新書)、「2ちゃんねる宣言 挑発するメディア」(文藝春秋)など。
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