ブログやツイッター、SNSなど、米国発のソーシャルメディアを利用する人が日本でも増えている。そのほとんどは匿名で、勤務先や職業を明かさずに運営されているが、外資系企業の中には実名での運営を奨励するところもあるようだ。
ガイドラインを公表「日々の仕事を忘れないで」
日本IBMは2010年4月13日、「ソーシャル・コンピューティング・ガイドライン」をウェブサイトで公開した。米IBMが2008年に制定したガイドラインの日本語訳である。この中にはブログの運営について、
「IBMでの業務に関連してブログ活動をする際には、実名を使い、身元を明らかにし、あなたがIBMに勤務していることを明示するように奨励します」
「一人称で語りましょう。自分自身の意見で、その個性を前面に打ち出し、思っていることを語りましょう」
と書かれている。ツイッターやSNSの利用も、これに準じて適用されるのだろう。ただし、「このサイトの掲載内容は私自身の見解であり、必ずしもIBMの立場、戦略、意見を代表するものではありません」という免責文を入れることが条件となる。
身元を明らかにしない限りは利用を黙認する、多くの日本企業のスタンスとは逆である。なお、就業時間中にツイッターやブログの更新をする社員もいるようだが、ガイドラインは、
「日々の仕事を忘れないでください。オンラインでの作業があなたの仕事やお客様へのコミットメントを妨害することのないよう、注意してください」
という一文で締めくくられており、仕事に支障のない限り容認されると解釈してよさそうだ。
日本IBMの広報に勤務する栗原進氏のブログ「栗坊のマロン通信」によると、IBMには公式ブログも公式ツイッターアカウントもなく、すべて各部門の社員たちによって自主的に運営されているという。許可・届出などの一括管理はされていないようだ。