ブラウザの履歴を消しても遅い?「社内パソコン」は監視されている

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   ある調査によると、会社でパソコンを使ったことのある人のうち、ブラウザの「閲覧履歴」を削除したことのある人は4割近くになることが分かった。ただし、社内パソコンの利用状況を記録に残している会社も少なくなく、履歴を削除しても遅いという見方もある。

「閲覧履歴」を削除したことがある人は39.0%

会社は社員のパソコン使用状況を意外に把握している?
会社は社員のパソコン使用状況を意外に把握している?

   ネット調査会社のアイシェアは2009年12月1日、「ブラウザの履歴に関する意識調査」を公表した。回答者は、無料メール転送サービスCLUB BBQの20~40代男女会員499人。

   それによると、回答者のうち職場でパソコンを使用したことがある人は385人。そのうち、職場のパソコンでウェブサイトを閲覧した後に、ブラウザに残った「閲覧履歴」を削除したことがある人は150人(39.0%)という結果となった。

   削除する理由は、「職場で知られたくないサイトを見ていた」「パソコンを多人数で利用するため」といった回答があったが、いずれも業務と関係ないサイトを閲覧していて、それを会社や他人に知られたくないことが理由だと思われる。

   「閲覧履歴」を削除した人は、女性が42.0%と男性をやや上回っているが、例えば仕事の合間に「ショッピングサイト」を見て、注文している人もいるのではないか。男性では「アダルトサイト」を見ている人もいるかもしれない。

   また、見られて恥ずかしいものではないが、会社には知られたくないものとしては、「転職サイト」なども考えられる。「ネット掲示板」や「Q&Aサイト」も、あまり他人に知られなくないアクセス先だろう。

「上司のパソコンが警備室の管理モニターになっていた」

   ある会社の情報システム担当者は、社内パソコンの監視状況について、次のように話す。

「どのパソコンからどのサイトにアクセスしたかは、すべて記録をとっていますね。業務に関係のなさそうなアクセスが多い場合には、記録をまとめて上司に報告しています。ウェブメールで容量の大きいファイルを送受信している場合などは、情報漏えいなどの不正が疑われるので、注意してみるようにしています」

   共有パソコンであれば効果はあるかもしれないが、ブラウザの履歴を消しただけでは証拠は消えないようだ。全社員の常時監視は難しくても、職務怠慢で懲戒処分にしたり、警察沙汰や裁判沙汰になったときの会社側の「武器」となる記録は確保できているそうだから、普段から安易なアクセスは避けたほうが無難だろう。

   また、ある会社の社員は、上司のパソコン画面を偶然見て、驚いたという。

「部下のパソコンの画面をリアルタイムで見られるソフトを入れていたのです。6人分が同時に映っていて、まるで警備室の監視モニターのようでした。先輩に聞くと、上司はメールの中身もチェックできるそう。いつも監視しているわけではないと思いますが、そんなヒマがあるなら仕事手伝ってくれ、と思いましたね」
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