3年前に独立して小さなヘッジファンドを興した友人の話を久しぶりに聞いて、驚きました。今年2月末時点のファンド基準値が、スタート時点の2006年5月と同水準まで回復した、というのです。
当時の日経平均が15,000円台、今年の2月末時点では7,000円台ですから、彼が投資対象に選んだ日本の中小型株は、市場の動きに対して2倍近い高い株価をつけたということです(実際はまだ1円も儲かっていませんが・・・)。
ニューヨークと香港で働いたが「やっぱり、日本」だった
今回の金融危機で日本の株価は世界の中でも特に大きく下げましたが、宝の原石を拾い出すようにして選ぶと、奮戦し、成長している日本の企業もたくさんあるのだなぁと思い知らされました。
さて、少し前ですが、ネット上で「日本はもう立ち直れないから、海外で勉強して海外で働こう」といったブログ記事が話題になりました。取り上げるのが周回遅れになってしまいましたが、僕自身、海外に留学してニューヨークと香港で少し働いてみたものの、「やっぱり、日本だよね」と思って帰国した身なので、一言考えを書いてみようと思います。
まず、少子高齢化で人口が減るから経済が成長しないとか、格差が広がって貧困層が増えるとか、政治がダメだとか、そんなことは言われなくてもみんな分かっているのであって、改めて指摘することにことさら意味があると思いません。マクロを憂うのは政治家や大企業の経営者に任せておけばよいのであり、僕ら一人ひとりにとっては、いま直面しつつある社会構造の変化が自分たちにとってどのような意味あいを持つか、それを真剣に考える方が大切ではないでしょうか。
では、その社会構造の変化は何かというと、僕らの両親の世代のように、眼をつぶって就職し、がむしゃらに努力をしさえすれば国と企業が成長して安定が保証される時代がとっくに終わってしまったこと、そしてこれからは、一人ひとりの生き方やキャリアの選択を真剣に考えて、選ぶことが求められていることだと思います。