グーグル日本法人が入居する東京・渋谷の高層ビル、セルリアンタワー。そのすぐそばの小さなビルで、「グーグルのように世界中にインパクトを与えるネットサービスを展開したい」という大きな夢を育んでいるベンチャー企業がある。
10カ国以上から人材が集まった「多国籍ベンチャー」
セレゴ・ジャパンには世界各国から多彩な人材が集まっている
「セレゴ・ジャパン」という名前のその会社は、社長をはじめ、20数人いる社員の8割が外国人という日本では珍しい会社だ。驚くべきは出身国の多様さ。アメリカ、カナダ、オーストラリア、オランダ、ベルギー、イタリア、スウェーデン、アイスランド、フィリピン、韓国、台湾、イタリア、そして日本と10カ国以上に渡る。
「日本で優秀な人材を集めようとしたら、たまたまそうなった。ほとんどは母国語と英語と日本語を話すことができる。新しい世界を目指すビジョンとパッションをもった連中ばかりだよ」
と、創業者で会長のアンドリュー・スミス・ルイス(41)は、いたずらっ子のようなヒゲモジャラの顔をほころばせる。
世界各国から集まった"多国籍軍団"の彼らが日本から世界に向けて展開しようとしていること――それは、脳科学や認知心理学にもとづいて開発された独自の「記憶管理システム」をベースにした、新しい学習スタイルを世の中に広めることだ。そのコンセプトを具現化したのが、誰でもウェブ上で無料で利用できる学習サイト「smart.fm(スマート・エフエム)」である。