シュガー予備軍を「職場のルール作り」に参加させよう

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   仕事に私生活を持ち込んで、業務を混乱させるシュガー社員。一方で、雇用の流動化が進むにつれて、「前の職場とルールが違う!」と困惑する転入社員も増えています。「そりゃないだろ」「そのくらい言わなくても」と感じることが起こったら、新しい「職場のルール作り」が必要になっている時期なのかもしれません。

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前の職場の「常識」は、新しい職場の「非常識」?

   A子さんは、3年ほど勤務した東京の外資系企業を退職し、実家のある地方都市の中小企業に就職しました。ある朝、急に家庭の用事ができたため、A子さんは会社のメールアドレスに遅刻する旨のメールを送りました。誰か出社すれば、仕事前に見て上司に伝えてもらえるだろうと考えたからです。

   ところがA子さんが出社すると、上司から呼び出され「遅刻の連絡は電話でするのが常識だろう」と注意されました。「でも前の会社は、メールでOKでしたよ」と答えたA子さんは、就業時間前の会社に電話をかけても誰も出ないでしょ、と思いましたが、その場では不満を飲み込みました。

   後日、A子さんが仕事の合間に、ウェブサイトで私用メールをチェックしていると、先輩社員に「ちょっと。信じられないんですけど」と注意されました。業務に関係のないウェブサイトを会社で見るのはダメ、という意味ですが、A子さんは「前の職場ではブログだって更新していた。手が空いているのだから何をしようと勝手じゃない」と、すっかりふくれてしまいました。

   A子さんのように他の会社から転職してきた人は、前の職場との「常識」の違いに戸惑います。就業時間中は業務に専念するのが原則ではありますが、合間に業務外のウェブサイトを見ることが絶対に許されないかというと、それは程度の問題であり、職場によっても許容範囲が異なるところだと思います。

田北百樹子(たきた・ゆきこ)
札幌市出身。田北社会保険労務士事務所所長。保険関係の手続や就業規則作成にとどまらず、人事考課制度導入や社員教育など、企業の人事労務を幅広くサポートしている。「シュガー社員」の名付け親で、09年3月にはシリーズ第3弾となる『ブラック企業とシュガー社員』(ブックマン社)を刊行。
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