いま流行の「社内SNS」 本当に必要なのか

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   Aさんは、多角的な事業を展開するサービス系企業に勤めています。昨年、Aさんの会社で、「流行りの社内SNSを導入しよう」という話が若手から持ち上がりました。

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「月に10時間の損失」と経理担当が反対

「もともとは、各事業部門にいる社員のマップをつくろう、というブラインドコンセプトだったんです。アルバイトやパートも含めて、人材配置の最適化や異能人材の発掘をして、社内の風通しを良くし、活気のある組織にしよう、と」

   そのために、業務課題を糸口としたコミュニケーションの活発化を企図したのです。

   ところが、これに異論が出てきました。経理を担当する上司でした。プロフィールの写真やイラストをはったり、掲示板や日記に書き込むなんて、仕事をサボっているのと変わ らない、というのです。

「毎日、30分を社内SNSの利用に費やしたとして、そのぶんは生産性がないのだから、月に10時間の損失だ、その10時間にも給料は出ているんだ、と言うんですね。そう言われてしまうと、それはそうなんですけど、今よりも生産性を上げようということで考えたわけですから、こちらも簡単に引き下がれません。いまの30分の損失が将来の1時間分の生産性向上につながるという考え方もできるじゃないですか、と反論したんです」
井上トシユキ
1964年、京都市出身。同志社大学文学部卒業(1989)。会社員を経て、1998年よりジャーナリスト、ライター。TBSラジオ「アクセス」 毎週木曜担当。著書は「カネと野望のインターネット10年史 IT革命の裏を紐解く」(扶桑社刊)「2ちゃんねる宣言 挑発するメディア」(文芸春秋社 刊)など。
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