「こんなに女性が農業に熱心なんだぁ」
セレン社長の三輪晋が沖縄で行っている現地検討会に初めて参加したとき、そんなふうに強く感じた。三輪は毎月約1週間沖縄に滞在し、農家さんの指導をしている。20人ほどの参加者と一緒にバスに乗って各地域の畑を回り、土作りの仕方や植物の観察方法、環境変化への対応方法をレクチャーしている。
女性のほうが熱心にメモをとる
勉強会に参加する沖縄の農家の人たち
参加者の半分以上はご夫婦での参加。とくに奥様達の熱心さには感心させられる。農家の奥様たちは朝早くから晩まで勉強会に参加し、必死にメモを取っている。
三輪の説明をひとことも聞き漏らさないように、なるだけ三輪の近くを陣取っているのも、たいてい男性ではなく女性のほうだ。三輪の注意を受けて素直にすぐ修正するのも、やはり男性より女性のほうが早い。
沖縄で栽培している作物は、ゴーヤ、きゅうり、いんげん、チンゲン菜、にら、マンゴー、ファッションフルーツなど。たとえば、きゅうりの場合、三輪は、ツルの中間位置にあるまだ元気そうな葉っぱを取るように指示することがある。
元気そうな葉っぱの下にある、さらに若い葉っぱに光を当てるため、三輪はあえてそうさせる。若い葉っぱの方が光合成する力があるというのだ。だが、これは通常の農家ではやらないことだ。
常識が邪魔をしてしまうのか、ご主人は「そんなぁ」といって実行には移さない。でも、奥様のほうは次の日の朝一番、教え通りに実行していることが多い。