職場で何かとトラブルを起こす「シュガー社員」。これまでの連載では、その"生態"を紹介してきましたが、彼らが生まれ育った時代背景を振り返ると、発生のメカニズムが見えてきます。前回のコラムで紹介した過保護な親=「ヘリ親」の存在も大きな要因のひとつですが、どうやらそれだけではなさそうです。
シュガー社員は「会社不信の時代」の産物である
今の若者が社会に出始めた頃、会社名が出るニュースといえば「大企業の倒産」「リストラ」「粉飾・横領」「サービス残業」「過労死」「偽装表示」など、暗い話題ばかりでした。会社が全国的に有名になるためには「ヒット商品を生み出すか、謝罪会見を行うか」というような状況では、彼らが「会社」というものに対して根本的な不信感を募らせてしまうのも、理解できる気がします。
一方、経営者からは「今の若手社員は全く理解できない。ほとんど新種だ」という声も聞かれます。「会社への帰属意識が低い」「仕事への執着を感じない」とも。しかし若者から見れば、信用できない「会社」との距離を取りながら、あえて"新種"となって自分を守っているのかもしれません。
これは会社が反省すべき点でもあります。しかし、だからといって仕事に身を入れない理由にはなりません。いずれ不埒な企業が淘汰された時に、きちんとしたスキルを身につけていなければ、困るのはシュガー社員自身ではないかと思うのですが…。