私用パソコンでウイルス感染「でも、かえってよかった」

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   食品系のメーカーに勤める40代のAさんは自宅で作業をするため、自分のノートパソコンに会社のPCからデータを移すことが頻繁にありました。よくある話です。

   ある金曜日、四半期末に向けて報告用のデータをまとめるため、ノートパソコンに営業データをコピーして持ち帰りました。深夜を過ぎた頃、Aさんは今日中に同窓会の出欠を連絡しなければならないことを思い出しました。

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自分のノートパソコンのせいで「トンデモナイ事態」が発生

会社へのノートパソコンの持ち込みが思わぬ事態を引き起こすこともある
会社へのノートパソコンの持ち込みが思わぬ事態を引き起こすこともある

   普段はこのノートパソコンからネットに接続することはしないのですが、思い出したのがすでに夜中。いまさら居間にあるデスクトップを立ち上げるのも億劫です。そこで、自宅回線をノートパソコンに繋いでメールを送りました。

   その後もしばらく仕事を続け、明け方になる頃に休み、翌日も仕事を続けて報告をまとめ、週明けにノートパソコンごと会社に持っていきました。さっそく会社のLANに繋ぎ、報告書のファイルを上司に送信し、さあ一段落。

   ところが、その日の午後から社内のパソコンに、一斉に不具合が出始めました。パソコンが起動しない、文書作成ソフトの動きがとんでもなく遅い、会社のメールサーバにアクセスできない……。

   大慌てで情報システム担当者たちが調べたところ、原因はAさんが送った文書ファイルにくっついていたウイルスと判明しました。主に海外での被害が報告されている珍しいタイプのものです。

   しかし、Aさんは自宅でメール送信を1回だけしたものの、ウイルスに感染するような使い方はしていません。とりあえず自宅へ電話を入れ、妻に事情を話して子供たちが触ったりしていないか聞いておいてほしいと伝えました。

井上トシユキ
1964年、京都市出身。同志社大学文学部卒業(1989)。会社員を経て、1998年よりジャーナリスト、ライター。TBSラジオ「アクセス」 毎週木曜担当。著書は「カネと野望のインターネット10年史 IT革命の裏を紐解く」(扶桑社刊)「2ちゃんねる宣言 挑発するメディア」(文芸春秋社 刊)など。
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