神奈川県は2016年10月31日、市販の冷凍メンチカツ製品からO157(腸管出血症大腸菌)が検出されたと発表した。
同日までに17人の感染が分かっており、うち2人は重症だ。販売していたスーパーは製品を撤去した。
8歳の少女が集中治療室で治療を
県のウェブサイトによると、10月17日以降、O157感染症の報告が県に相次いでいた。保健福祉事務所で調べると、いずれも食肉卸売業の「肉の石川」(本社・神奈川県平塚市)の冷凍メンチカツ「和牛・相模豚 メンチ 肉の石川」を家庭で調理し食べていたと分かった。そこで同製品を調べると、一連の感染者の便から採取されたものと同じ遺伝子のO157が検出された。
県生活衛生課の担当者にJ-CASTヘルスケアが取材したところ、重症患者2人のうち、1人は8歳の女の子で、11月1日現在ICU(集中治療室)で治療中。もう1人の5歳の男の子は、回復傾向にあるという。
O157検出を受け、同製品を販売する「イトーヨーカドー」の神奈川・千葉県内26店舗では、製品を店舗から撤去し、購入した人からの回収を進めている。対象となるのは賞味期限が2017年2月17日、2月26日、4月12日の製品。県は、すでに食べて体調が悪くなったら速やかに医療機関にかかるよう促している。
この製品は電子レンジで解凍するのではなく、開封後に揚げるタイプの食品。パッケージには「凍ったまま、170~175度の油で6分間揚げてください」と調理方法が明記されている。一方、平塚保健福祉事務所のウェブサイトには「O157は熱に弱く、75度以上で1分以上加熱すれば死滅します」とある。前出の県の担当者は、「詳しい原因は調査中ですが、中心まで十分に加熱しないで食べた可能性があります」と話している。