英大学、エイズ根本治療に成功か 血液からHIVウイルス完全消滅

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   全世界に潜在患者が3670万人おり(2015年末)、毎年110万人近くが死亡しているエイズ(後天性免疫不全症候群)。進行を遅らせることはできるが、これまで根本的な治療法はなかった。

   英国5大学の合同研究チームがエイズを引き起こすHIVウイルスを患者の血液から完全に消滅させることに成功したと、2016年10月2日発表した。「サンデー・タイムズ」(2016年10月2日付)や「テレグラフ」(2016年10月3日付)など英国メディアが報道した。

  • 啓発活動で世界的に減少しているエイズ
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世界的に激減しているのに、日本の若い女性は増加

   厚生労働省の2016年2月の発表によると、エイズ患者は過去20年間で世界的に激減傾向にあるのに、日本は2013年の1590人をピークに2015年は1413人と、多少は減ってはいるが、ほぼ横ばい状態。特に20~40代の女性に限ると、この3年間増加傾向を続けている。

   サンデー・タイムズによると、5大学はオックスフォード、ケンブリッジ、インペリアル・カレッジ・ロンドン、ロンドン大学、キングス・カレッジ・ロンドンの5校。HIVウイルスは、人間の体の免疫系であるT細胞やマクロファージを乗っ取り、働かなくしてしまう。このため、普段は感染してもほとんど影響がない、ささいな病原菌にも発症し重大な症状を引き起こす。そして、全身が「深刻な症状のデパート」状態になった時の病名がエイズだ。

   従来の治療は「抗レトロウイルス療法」と呼ばれ、抗ウイルス薬をいくつか組み合わせHIVウイルスの増殖を抑える方法がとられてきた。しかし、HIVウイルスが潜伏中の細胞には効き目がないという欠点があった。

   今回、合同チームがとった方法は次の2段階になっている。

   (1)まず、ワクチンを使い、体内のHIVウイルスが感染した細胞を除去する。

   (2)次に、「Vorinostat」と呼ばれる新開発の薬剤を使い、HIVウイルスに感染したT細胞を活性化させる。そして、体中にひそんでいるHIVウイルスを攻撃、消滅させるというものだ。

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