新発見でわかったダイエット新常識 肉の食べ過ぎは砂糖と同じくらい危険

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   肥満の原因といえば、糖分や脂肪の摂(と)りすぎを疑う人はいないだろう。しかし、肉の摂りすぎも糖分の摂りすぎと同じレベルで肥満の危険要因であるという驚きの研究がまとまった。

   肉に含まれる脂肪が問題なのではなく、タンパク質が体脂肪に変わるという。研究者自身が「私たちの発見は多くの論争を呼ぶだろう」と語っている。

  • 肉の食べ過ぎは危険
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肉のタンパク質が体脂肪に蓄積される

   この研究を発表したのはオーストラリア・アデレード大学のチームだ。栄養医学誌「Journal of Nutrition&Food Sciences」(電子版)の2016年8月1日号に論文を掲載した。

   研究チームは、現代の食生活において、肉がエネルギー過剰を招き、世界的な肥満の蔓延に関係しているのではないかと注目した。そこで、世界170か国の肥満率と食肉摂取量、糖分摂取量、カロリー消費量、GDP(国内総生産)、都市化のレベル、運動不足など膨大なデータを分析した。

   その結果、国ごとのGDP、都市化のレベル、運動不足といった肥満の誘因を考慮して再分析しても、世界各国の肥満への影響度は、肉と糖分の摂取量がともに13%で、あらゆる肥満原因のなかで最も危険な因子であることがわかったという。

   従来も牛肉などの赤肉が肥満の原因となるという研究があったが、肉に含まれる脂肪分が肥満を引き起こすとするものが多かった。ところが、研究チームのリーダーのマチェイ・ヘンネバーグ教授は「肉のタンパク質が直接的に肥満を引き起こしているのです」と指摘する。

   いったい、どういうことか。ヘンネバーグ教授はこう続ける。

「肥満の主な原因は脂肪と炭水化物、特に炭水化物に含まれる糖分だとする定説がありますが、現代の食生活では、食事に含まれている脂肪と炭水化物だけで十分に必要なエネルギーが満たされています。ところで、肉のタンパク質は脂肪や炭水化物より後になってから消化されるので、タンパク質自身が持っているエネルギーが余分なものとなり、吸収されずに脂肪に変換されて体の中に蓄積されてしまうのです」

   通常、炭水化物は8~12時間で消化される。ところが、タンパク質は10~24時間かかる。タンパク質が消化される頃には、もうエネルギーは必要がない状態になっており、エネルギー分が体脂肪に変わってしまうわけだ。

これからは「砂糖と肉を控えめに」

   ヘンネバーグ教授はこう語っている。

「私たちの発見は論争の的になるでしょう。現代の食事のガイドラインでは、『砂糖を控えめに』と強調していますが、同じくらいに『肉を控えめに』とアドバイスすることが理にかなっています。肥満に対して肉のタンパク質の影響を示すことが、バランスのよい食生活のために大切です」
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