太い筋肉のマッチョな体に鍛え上げるには、重いウエイトで筋肉トレーニングを行なうのが常識と思われてきたが、軽いウエイトを回数多く繰り返すことで同じ効果があがることがわかった。
カナダのマックマスター大学の研究チームが、運動生理学専門誌「Journal of Applied Physiology」(電子版)の2016年6月16日号に発表した。
自分が持てる軽いウエイトでマッチョな体に
研究チームは、普段からトレーニングを積んでいる若い男性49人(平均年齢23歳)を、次の2つのプログラムで運動を行なうグループに分け、12週間にわたって全身の筋肉トレーニングをしてもらった。
(1)重いウエイトを最大筋力の70~90%の力で、8~12セット持ち上げる運動を行なう24人。
(2)軽いウエイトを最大筋力の30~50%の力で、20~25セット持ち上げる運動を行なう25人。
(1)は伝統的なウエイト・リフターの筋トレ方法で、(2)は新しい考え方の筋トレ方法だ。双方とも、疲労によりウエイトを持ち上げることができなくなるまで運動を続けてもらった。
プログラムの開始前と12週間後の終了時に、両グループの被験者の血液と筋肉組織のサンプルをとり、分析した。その結果、筋力の指標である筋肉量と筋繊維のサイズの増加は、両グループともまったく同じだった。
研究チームのウォード・モートン博士は「エリートのアスリートも同様の結果が出るかどうかはわかりませんが、一般的に健康を維持したいと願う人には朗報です。重いウエイトを持ち上げなくては筋力が増大しないと悲観する必要はありません。自分が持ち上げられる範囲の軽いウエイトでも、繰り返し行なうことで同じ効果をあげることができるのですから」と語っている。