【あさイチ】(NHK)2016年4月6日放送
「オンナの腸トラブル大特集」
春は新たな出会いの季節。そんな大事な時に限って猛烈な下痢に襲われたり、頑固な便秘に苦しんだり、まさかの便漏れが突然起こったり...。こんな人は単なるお腹の不調をこえた「過敏性腸症候群」の可能性がある。
ストレスなどが原因で、便秘や下痢に同時に悩まされる病気だ。患者は日本人の7人に1人にのぼるという。番組では女性がなりやすい「過敏性腸症候群」を中心に、便トラブルの解決法を特集した。
出したい時に出ない、出したくない時に出るツラさ
番組の冒頭、ランニングが趣味の50代女性ミキさん(仮名)が登場。普段は4~5日以上続く便秘に悩んでいるのに、大事なマラソン大会になると出そうになり、2キロ走るごとにトイレを探す有様。ランニングの練習中、急に「ああ~」と催して便漏れになり、恥ずかしい思いをしたことも。毎日ヨーグルトを食べ、腹筋をしているが効果がない。
ミキさん「一生、このお腹と付き合っていくしかない、とあきらめています」
MCの伊ノ原快彦「かわいそうに。出したい時に出なくて、出しちゃいけない時に出ちゃうんですね。皆さんも経験ありますか?」
ゲストのタレント・いとうあさこ「海外に行くと便秘はしょっちゅうありますよ。成田空港に着いた途端、ほっとして爆発音が鳴る感じです」
ゲストのタレント・坂下千里子「私もロケに1週間行くと1週間出ません」
MCの柳澤秀夫「やはり、行きつけのトイレじゃないとダメですか」
伊ノ原「普通の便秘や下痢と過敏性腸症候群はどう違うのですか?」
専門医の山名哲郎・東京山手メディカルクリニック大腸肛門病センター部長がこう説明した。
「過敏性腸症候群には、下痢型、便秘型、さらに両方を交互に繰り返すタイプがあります。下痢を例にとると、普通の下痢は特定の物を食べた時に細菌やウイルスが原因で起こり、短期間で治ります。過敏性腸症候群の場合は、何を食べても下痢が長く続き、しかも慢性的に起こるのが特徴です」
伊ノ原「原因はなんですか?」
山名医師「普段の生活の中でストレスをためるのが原因です。脳が感じるストレスが腸のぜん動運動を変えてしまうのです。腸は非常に敏感な臓器ですから、下痢や便秘になるだけではなく、お腹が張ったり、痛くなったりします」
伊ノ原「便漏れはどうして起こるのでしょう?」
山名医師「年をとって肛門括約筋が衰えることが原因ですが、女性に多いのは、出産時に肛門括約筋を切ってしまうからです。筋肉を縫い合わせる手術で治すことができます。また、飲み薬で便の状態を安定にする治療法もあります」