座禅やヨガなど東洋で生まれた瞑想法が欧米に広がり、その健康効果に関する研究が盛んに行なわれている。
瞑想を行うと遺伝子のレベルにもいい影響を与え、特に「長生き遺伝子」といわれる「テロメア」の老化を防ぐという研究結果を、米マハシリ大学のロバート・シュナイダー博士らがまとめて、2015年11月16日付米科学誌「プロスワン」(電子版)に発表した。
「いのちの回数券」を使い果たすのをストップ!
テロメアとは、遺伝子の染色体の末端についているキャップのような構造体。私たちは、細胞分裂によって新しい細胞を作り、命を維持している。細胞が分裂すると染色体が同じようにコピーされるが、末端にあるテロメアだけはコピーされず、細胞分裂のたびに短くなる。テレモアが短くなると老化が進み、最終的にテロメアがなくなると、細胞は分裂をやめ、死んでしまう。
テロメアが長い人ほど長生きをするといわれ、テロメアが「細胞分裂の回数券」とか「長生き遺伝子」と呼ばれる由縁だ。このテロメアを伸ばして老化を防ぎ、心臓病や脳卒中などの死亡率を下げる働きをするのが「長生き酵素」と呼ばれるテレメラーゼだ。100歳を超える人々の研究では、長寿者にはテレメラーゼの量を増やす遺伝子変異が多いことがわかっている。最近のアンチエイジング医学では、テロメアとテレメラーゼが寿命のカギを握っているとして注目されている。