新型のノロウイルス、2015年冬に猛威か 大流行の2006年しのぐ勢い

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   激しい嘔吐(おうと)や下痢を伴う感染症胃腸炎を引き起こすノロウイルスが2015年冬に猛威をふるい、新型が流行しそうな勢いであることが2015年11月2日、国立感染症研究所が発表した報告でわかった。それによると、第43週(10月19~25日)に全国の定点医療機関から報告があった感染症胃腸炎の患者数は1万3628人で、前の週に比べて3235人増えた。定点あたりの人数は4.33人で、宮崎県(12.61人)、福井県(10人)、熊本県(9.76人)、鹿児島県(9.38人)などが多く、48都道府県中、45の都道府県で増えている。

   11月2日に長崎県大村市の小学校で77人が下痢や嘔吐を訴えたり、10月30日に東京都品川区の居酒屋の客52人が同じ症状を訴えたりするなど、10月以降、集団感染が目立っている。

   国立感染症研究所によると、人に感染するノロウイルスは主に31種類あり、たびたび変異するが、大流行した2006年と2012年は「G2・4型」の変異が中心だった。2015年秋は「G2・17型」が変異。2015年2月以降ほとんどがこの新型に置き換わった。専門家は「変異の幅が06年、12年の時よりはるかに大きく、一度かかった人でも免疫効果は数年でなくなるので、免疫のない人が非常に多い。新型がこのままの勢いで広がれば、過去最悪だった06年をしのぐ恐れもある」と警戒する。

   ノロウイルスによる感染症胃腸炎は11月~1月に多発する傾向にある。乳幼児や高齢者は重症化したり、吐いた物をのどに詰まらせたりして死亡することもある。感染を予防するには、日々の手洗いとうがいの励行、食品の加熱がいちばん大事だ。

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