2019年6月12日に放送された「水曜日のダウンタウン」(TBS系)が話題だ。
この日の企画は「中継先にヤバめ素人が現れてもベテランリポーターなら華麗にさばける説」。ベテランリポーターとして知られる芸能人たちをターゲットとしてニセ番組に招待し、生中継を妨害する迷惑な一般人(仕掛け人)に対してどのように反応を示すかを検証する企画だ。
仕掛け人の目をしっかりを見て対話
このうち、最後に登場した板東英二さん(79)については、「生中継」終了後の様子が「全カット」されたため、視聴者の間で大きな話題に。「板東英二のやつ今見たけどめちゃ気になるな」「マジギレしたんじゃないか?」といったVTRのその後がどうなったかを気にする声がネット上にこだますなど反響は大きいが、その一方で、別のターゲットであるミスターちんさん(55)の「神対応」も話題を呼んでいる。
4人目のターゲットとして登場したちんさんがバーベキュー場で「生中継」を開始すると、ほかの出演者の時と同様、一般の男性を装ったスタッフが虚ろな目つきでカメラに向かってフラフラと近付いてきた。本当の生中継であればまごうことなき非常事態だが、ほかの出演者が多少なりとも動揺した様子を見せたのに対し、ちんさんは「お父さん、すみません。どうも」と声を掛けつつニッコリ。虚ろな目つきをものともせず、仕掛け人の目をしっかりを見て対話する姿勢を見せつつ、しつこくカメラに歩み寄ろうとする仕掛け人を画面から押し出す動作を続けた。また、「生中継」が一旦終了し、スタッフが男性をつまみ出す際にも、「ちょっと、雑に扱わないよ」と、仕掛け人を気遣った。
場所を川岸に移し、「生中継」を再開すると、今度は川の中から仕掛け人がビショビショの状態で登場。それでも、ちんさんは仕掛け人を川から引き揚げ、スタッフに引き渡すとタオルを与えることを指示。さらに、インタビューを行っていた「一般人」に対し、「ごめんなさい、ビックリしたでしょ。俺もビックリした」と、これまた気遣いの姿勢を見せた。その後、仕掛け人が川に飛び込んだため、さすがのちんさんも「お手上げ状態」に。そこでネタばらしとなった。
「ミスターちんを見て、清らかな気持ちになりたい」
仕掛け人が「申し訳ございませんでした」と平身低頭すると、ちんさんは「いや、何か良かったよー」と、非常事態ではなかったことを理解して笑顔。「もう途中で俺、涙出てきちゃってさー」と撮影を振り返った。すると、仕掛け人は「僕も(ちんさんが)優しすぎて泣きそうになっちゃいました」と感極まった様子。大団円の結末には、「想定外のハートフルな結末」とのテロップが表示されたほか、ネット上でも「心が荒んだときは、昨日の水曜日のダウンタウンのミスターちんを見て、清らかな気持ちになりたい」といった絶賛が続出した。
近年は芸能活動の傍ら、自ら開設した鍼灸院で院長を務めているちんさん。人柄の良さが出たのはもちろん、想定外の出来事にも全く動じずに対応できたのは、患者の体の不具合に向き合い、それを癒す鍼灸師としての職業柄も丁寧な対応に反映されていたのではないだろうか。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)