化学メーカー大手のカネカが、学生向けのインターンシップイベントの参加を急きょ、見送ったことが分かった。
同社をめぐっては、元従業員の妻がツイッターで「パタハラ」被害を訴え、就活生の間で不安が広がっている。カネカ広報はイベント辞退の理由を「(今回の騒動について)ご質問が出た場合、ご回答ができないようなところになる可能性があったため」と話す。
6月5日に辞退申し出
カネカは2019年6月9日、国際展示場「インテックス大阪」(大阪市)で行われる学生向けイベント「マイナビインターンシップEXPO」に出展予定だった。
しかし6月6日までに、イベントサイトの出展企業一覧から消え、予定していた講演も「出展者の都合により、カネカの企業講演会は中止となりました」と記載されている。
同社をめぐっては、元従業員の妻が6月1日、ツイッターで「夫が育休復帰直後に転勤を言い渡され退職した」などと投稿し、大きな騒動となった。カネカの対応は「パタニティ・ハラスメント(パタハラ)」(男性の育児休業取得などに対し、職場の上司や同僚らが嫌がらせのような言動をすること)に当たるとして批判を集めた。
カネカは6日、公式サイトで見解を発表し、調査の結果、「対応に問題は無いことを確認致しました」と"反論"している。
同社の広報担当者は6日、J-CASTニュースの取材に、イベントの参加辞退は5日に申し出たという。「ネットの問題で(5日時点では)まだ調査ができていない段階で、(会場で)ご質問が出た場合、(当日までに調査が終わっていないと)ご回答ができないようなところになる可能性があったため」と話す。
騒動後の内定辞退者は?
ツイッターでの告発後、クチコミ就職情報サイト「楽天みん就」では、就活生から不安の声が相次ぎ、カネカの掲示板は「大荒れ」となっている。6月1日以降、書き込みは700件を超える。
騒動が採用活動に与える影響について広報担当者は「今のところ聞いていない」とし、内定辞退の有無についても「こちらも聞いていない」と答えた。
カネカの新卒採用は通年で実施し、例年60人ほどを採用する。2021年卒のインターンシップも現在募集している。
(J-CASTニュース編集部 谷本陵)