現在公開中のアニメ映画『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』で、「ネタバレ」被害が続出している。鑑賞予定者に対し、ツイッター上で作品の根幹に関わる情報を伝えるという手口だ。
ツイッターの利用者はどのような防衛策を講じうるか。ツイッタージャパンと専門家に聞いた。
リプライで犯人名送り付け、「いいね」悪用のケースも
2019年4月12日に公開された「名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)」。興行通信社の全国映画動員ランキング(13~14日)では、観客動員114万4539人、興行収入14億6382万円で首位スタートを切った。
問題となっているネタバレの内容は、映画中で起きた殺人事件の「犯人」が誰なのかを明らかにするもの。少年探偵を主人公としたミステリー作品だけに、作品の根幹に関わる重要な情報だ。
ネタバレの手法はこうだ。一つは、「コナンを観にいきたい」などとツイートしたユーザーに、「犯人は○○(伏字は犯人の名前)」とリプライ(返信)を送る。また、犯人の名前を冠したアカウントが「いいね」を付けるという方法もある。
記者が確認すると、こうした行為に及ぶアカウントは10以上あり、中には300近くの「いいね」を送る者もいた。被害にあったユーザーからは「最悪...コナンの犯人バラされた」「楽しみがなくなった」と悲鳴が上がっている。
ITジャーナリストがおすすめする対策は...?
名探偵コナンの新作映画をめぐる、ツイッターでのネタバレ行為は例年起きている。『から紅の恋歌(ラブレター)』(17年)、『ゼロの執行人』(18年)でも、同様の被害を訴えるツイッター利用者が続出していた。
ツイッターの日本法人は4月18日、J-CASTニュースの取材に、「個別の案件や対処法に関してはコメントできません」とし、一般論として「利用者の皆さんには安心、安全にツイッターを使っていただけるよう常に改善に取り組んでいる」と答えるにとどめた。
ITジャーナリストの高橋暁子氏に対策を聞くと、「これから観に行く人が狙われますので、コナンを観に行くことをツイッター上で公開しないことが大切です」と助言する。
「そのほか、映画が見終わるまで鍵アカウントにして、知らない人がツイートに『いいね』などをできないようにしておくことでも、被害を防ぐことができます。また、キーワードミュートもおすすめです。『設定とプライバシー』→『通知』→『ミュート中』→『ミュートするキーワード』→『追加する』で、『犯人』や『コナン』などの関連キーワードをミュートするとより安心ではないでしょうか。ただしミュートできるのはあくまでツイートなので、観に行くまではツイッターを見ないという方法もありかもしれません」(高橋氏)