人気バーチャルYouTuber(VTuber)ユニット「ゲーム部プロジェクト」のキャストとされる人物のツイートが「パワハラ」などを受けていると示唆する投稿を行い、ネット上で波紋が広がる中、同ユニットを運営するUnlimited(本社・東京都品川区)が「話し合いと実態把握」を進めることを発表した。
VTuberの中でも屈指の人気ユニットに、いったい何が起きているのか。
「待遇や業務環境の改善も含めた検討協議を進めている」
Unlimitedは公式サイトで2019年4月8日、「ゲーム部プロジェクトに関するご報告」と題し、野口圭登・代表取締役名義の声明を発表。「この度、Twitter等のネット上において、ゲーム部プロジェクトの声優スタッフの当社運営サイドへの一連の情報発信があり、ゲーム部プロジェクトを応援頂いている方々に大変ご心配、ご迷惑をお掛けしていることを深くお詫び申し上げるとともに、現状をご報告いたします」として、
「現在、声優スタッフとの話し合いと実態把握を通じ会社としての責任と改善点を明らかにし、待遇や業務環境の改善も含めた検討協議を進めているところでございます」
と現状を明かした。
今後について「声優スタッフとの話し合いの結果については進捗があり次第皆様に改めてご報告致しますので、今しばらくお時間を頂けますと幸いです」と伝えたほか、「声優スタッフ含めゲーム部プロジェクトに関わる全てのスタッフが納得し前向きに活動再開できるよう、また応援してくださっているファンの皆様に一日でも早く安心していただけるよう、尽力して参ります」と事務所としては活動を継続したい考えを示している。
18年初に開始した「ゲーム部」では、4人の高校生キャラクターが主に「ゲーム実況」と呼ばれるジャンルの動画を投稿している。YouTubeチャンネルの登録数は8日時点で41万人超。各動画の再生数は軒並み数十万回、多ければ100万回に迫るものもあり、人気VTuberとしての地位を確立している。
一方でここ最近、「職場」の不満をつぶやく複数のアカウントの存在が、ネット上で波紋を呼んでいた。これらのアカウントは固有名詞を挙げておらず、また「ゲーム部」側も声優が誰なのかを明かしていない。しかし、これらのアカウントが「ゲーム部」声優のものである、とする情報が、真偽不明のままネット上で急激に拡散、時を同じくして「ゲーム部」の配信が滞り、さらに「声優スタッフの当社運営サイドへの一連の情報発信」があったとする運営の発表があったことから、その関係性が注目されることとなった。
運営会社に取材したところ...?
問題となっているアカウントの発言の中には、具体的な行為を描写したものもあり、Aさんは4月5日「声優はいくらでも替えがきく」「アマチュアは使ってやってるだけでもありがたいと思え」といった言葉を掛けられてきたと書き込んだ。Bさんは2日「完徹勤務の末、4時間睡眠で出勤しなきゃいけない会社があるらしい」とし、「仕事辞めます」とも述べたが、直後に「辞められるとは言ってない...」とも投稿した。Cさんは「まさか信頼していたスタッフの方々に僕らがあんな暴言や罵倒されているとは思いませんでした。さすがにバカにし過ぎ」と怒りを露わにしている。
「ゲーム部」はほぼ毎日YouTubeに動画をアップし続けている。4月1日には8時間超のライブ配信のほか、動画2本を公開するというハイペースで更新していた。編集部で確認したところ、2019年に入って2日以上の間隔が空いた例はみられない。しかし5日の投稿を最後に、8日現在更新はストップ状態だ。
現時点では一連のツイートと、騒動との関連は明らかでない部分も多い。とはいえ、Unlimitedが今回の件でツイッターを開設すると、批判的なファンの声が殺到。330件超のリプライが届いている。
J-CASTニュースは8日、Unlimitedに対し、一連のアカウントはゲーム部声優のものか、すでにゲーム部声優との話し合いは進めているか、話し合いの結果報告をする時期はいつごろを見込んでいるか、暴言やパワハラをしたとされるがなぜそうした事態が起きたのか、などについて質問したが、「回答は控えさせていただきます。今後の公式発表をお待ちください」とするに留めている。