「来客にコーヒー提供」は「カフェハラ」? マナー講師の見解は...

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   「コーヒーを軽々しく勧めないで!」――。インターネットの投稿をめぐり、「カフェインハラスメント(カフェハラ)」がにわかに注目を集めている。

   打ち合わせの場でコーヒーを出されるのは許せないといった主張だが、なぜ不快に感じるのか。

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望むのは「カフェインコントロール社会」

   投稿は2019年3月20日、ブログサービス「はてな匿名ダイアリー」に寄せられた。

   「コーヒーを軽々しく勧めないで!『カフェハラ』ですよ」との題名通り、訪問先での打ち合わせでコーヒーを出すのは「カフェハラ」だと問題視している。

   投稿によれば、体質や健康面などからカフェインの摂取を控える人はいるにもかかわらず、問答無用で勧められると指摘。気心の知れた相手なら断ることもできるが、初対面であれば難しいとして「『アルハラ』(アルコールハラスメント)は社会問題として定着したが、『カフェハラ』は問題にもされていないのだ」と憤慨する。

   以上を踏まえ、(1)ノンカフェインまたは低カフェインの飲料を出してほしい(2)お湯を注いだカップにスティック状のコーヒーやお茶のティーパックを添えて、カフェインの有無を選択できるようしてほしい――と要望した。

   最後は「私が望むのは、カフェイン摂取をセルフコントロールできるような社会である」と締めている。

ナンシー関さん「コーヒーのファシズム」に警鐘

   「カフェハラ」をめぐっては、コラムニストのナンシー関さんも自著『何の因果で』で「コーヒーのファシズム」との言葉を使ってあげつらっている。

「私はコーヒーが嫌いである。理由は、おいしくないと思うからだ。 単なる嗜好品の好き嫌いであるから、非難される筋合いのものではない。確かに非難はされない。しかしそれは、コーヒー好きの人たちの視野の中に『非コーヒー好き』が入っていないからである。 『よもやコーヒー嫌いなんて人がこの世に居るなんて』ということである。だから、いろんなところで『当然』のようにコーヒーを出される。もてなしという善意が前提にあるだけに、 我々コーヒー嫌いに残された選択肢は『手をつけない』だけである。これをコーヒーのファシズムと言っては言いすぎだろうか」

   ニュースサイト「niftyニュース」の約4500人を対象にした調査では、コーヒーが苦手(「そんなに好きでもない」を含む)と回答した人は1割だった。苦手と答えた人の意見に「おなかを壊す!気を使ってコーヒーを出していただいたとき、飲まないわけにもいかず、後でおなか壊してトイレの中で、やっぱり飲むんじゃなかったと後悔」がある。

マナーの基本は...

   仕事の来客でコーヒーを出すのはマナーの専門家にどう映るか。NPO法人「日本サービスマナー協会」の講師である森麻紀さんは3月22日、J-CASTニュースの取材に「マナー違反にはあたりません」と話す。

   お茶出しでコーヒーが出される機会が多いのは、頭を活性化させるといった役割があり、マナーの基本である「相手をおもいやって心地よい状態にする」には背かないという。

   しかし、森さんは「ただ形通りのマナーを守るのではなく、臨機応変に対応するのも大切」と言及。コーヒーが苦手な人もいるため、相手の飲み物の好みを事前に把握すると一つ上のマナーになるとアドバイスした。

   なお、投稿者が提案した「お湯を注いだカップにスティック状のコーヒーやお茶のティーパックを添えて、カフェインの有無を選択できるようしてほしい」との意見は、相手に手間をかけさせてしまうためマナーといえないとした。

(J-CASTニュース編集部 谷本陵)

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