ロックバンド「hide with Spread Beaver」のメンバーとして知られ、現在「MADBEAVERS」などで活動するギタリスト・Kiyoshiさんが、楽器メーカー「フェルナンデス」(埼玉県戸田市)で特注したものの紛失していたエレキギターがインターネットオークションに出品されていたとして、「私は出品者に怒ってます」と怒りや悲しみをブログにつづった。
フェルナンデスは公式サイトにお知らせを掲載し、「契約アーティスト本人も非常に迷惑している状況です」など現状を伝えるとともに、「入札等される事の無いようお願い申し上げます」と注意喚起している。
倉庫に保管していたところ「行方が不明」
フェルナンデスは2019年2月5日、「今般大手オークションサイトおいて、弊社契約アーティスト使用ギターが出品されました」(原文ママ)と発表。特注で製作したモデルだったが、
「貸し出し後に契約アーティストが当時所属していたマネジメント事務所(既に廃業)の倉庫に保管、預けておりましたところ、その後行方が不明となり現在に至っているものです」
と紛失の経緯を書いている。
ギターは数年前にも一度出品されており、当時警察署に相談の上、「紛失後の売却経路等ほぼ特定」した。だが、
「紛失したとされる所属事務所が廃業してから数年経過しており、盗難被害に関連する紛失した場所、時期および住所の特定等の証明が困難等の理由により解決出来ずに現在に至っております」
といい、所在が分かっていない。「契約アーティスト本人も非常に迷惑している状況です」という。
フェルナンデスは「弊社は、契約アーティストへの貸し出し、使用ギターを販売する事は一切ございません。弊社としましては今後も引き続き本件問題の解決にあたるべく手法等を検討してまいります」とした上で、
「アーティストのファンの皆様におかれましては、上記事情をご推察いただき決して当該ギターの入札等される事の無いようお願い申し上げます」
と注意を呼びかけた。
「もし、このギターを何処かで見かけるような事がありましたら...」
Kiyoshiさんはツイッターで同日、フェルナンデスのこの発表のリンクをシェアし、「結局数年前にも感じたむなしい気持ちと落胆...しかない」と悲しみを投稿。4日にも「前の倉庫で紛失してしまった私モデルのフェルナンデスギターが某オークションサイトに出品されてる...」と伝えていた。
そのギターを持って「X JAPAN」のhideさんと写る「hide with Spread Beaver」時代の2ショットと、今回の出品ページのスクリーンショットもアップしており、「FERNANDES 型番不明 変形ギター」の名前で競売にかけられているのが分かる。Kiyoshiさんは、「そりゃ型番なんてないさっ これ一本限りの特注なのだから。変形ギターって...せめて変態ギターって......笑」と気丈に振る舞った。
5日のKiyoshiさんのブログによると、「今回、昔から僕のファンでいてくれてるギタリストからの通報で再度オークションに出品されてる事を知る」に至った。ツイッターではユーモアを交えていたが、「私は出品者に怒ってます」と吐露し、
「もちろんこのギターが手元に戻って来るのが最良なのですが ツィッターで紛失物と公言することでこれ以上の売り買い若しくは、人前で使えなくしてやりたいとの思いでツィートしました」
と今回の投稿の意図を明かしている。
今後について「フェルナンデスさんとも対応を話してますので その時は経過をお知らせします」と伝え、ファンに向けて「もし、このギターを何処かで見かけるような事がありましたら『それっ!!!Kiyoshiのギターじゃん!!!』と先ずは叫んで僕にご一報下さい」と呼びかけた。
出品ページを見ると、5日に19万8000円で落札したユーザーが現れている。J-CASTニュースは7日、何らかの対応をする予定はあるかなどについてフェルナンデスに問い合わせたが、担当者は「現段階ではウェブサイトに掲載した以上のコメントはできない」とだけ話した。