スバル、23年ぶり民間ヘリ 共同開発で再参入の「狙い」

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   SUBARU(スバル)が米国ベル・ヘリコプター・テキストロン社と共同開発した民間ヘリコプターを世界各国で発売することになった。スバルが新開発の民間ヘリを発売するのは1995年以来、23年ぶりという。発売するのは「SUBARU BELL 412EPX」で、試作機がカナダのベル社の施設で飛行試験を重ね、2018年7月5日に米国連邦航空局から量産に必要な型式証明を取得した。

   スバルの民間向け最新型ヘリコプターは、スバルが陸上自衛隊向けに開発中の新多用途ヘリコプター(UH-X)がベースとなっている。民間ヘリとしては、ベル社の「412型機」の後継に当たり、今回はスバルとベル社の共同開発となる。スバルは412EPX の生産や販売でベル社と協力し、世界で150機以上の販売を目指すという。スバルとベル社は、英国で7月に開かれた「ファンボロー国際航空ショー」で412EPXの模型を出展し、話題を呼んだ。

  • 「SUBARU BELL 412EPX」(スバルのプレスリリースより)
    「SUBARU BELL 412EPX」(スバルのプレスリリースより)
  • 「SUBARU BELL 412EPX」(スバルのプレスリリースより)

陸自の多用途ヘリの民間転用機

   スバルは陸自の多用途ヘリ「UH-1J」の後継機となる新多用途ヘリコプター(UH-X)の開発を2015年に防衛省から請け負っており、412EPXはUH-Xの民間転用機となる。UH-Xは22年から陸自向けに納入が予定されており、「日本の複雑で狭隘な地形でも人命救助を可能とする。離島防衛や災害救助に活躍が期待される」という。

   スバルとベル社は戦後、ヘリコプターの開発や日本国内の販売で協力関係にある。ベル社の社長兼CEOのミッチ・スナイダー氏は「60年前に陸自に最初にヘリコプターを納入して以来、ベルとスバルは長年のパートナーであり、陸自向け新多用途ヘリと民間向け最新型ヘリでも、この素晴らしい関係が継続、発展することを期待している」とコメント。スバルの航空宇宙カンパニープレジデントの戸塚正一郎氏は「ベル社と協力のもと、412EPXで当社の民間機ビジネスを大いに発展させていきたい」と話している。

   スバルは戦前の名門航空機メーカー「中島飛行機」が前身だ。1960年代から70年代にかけては単発プロペラ軽飛行機「富士FA200」(エアロスバル)や双発プロペラビジネス機「富士ロックウェルFA300」など高性能な民間機を開発・販売した。

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