タレントのふかわりょうさん(43)のコラムがインターネット上で大きな反響を呼んでいる。
2017年8月19日付の東京新聞に掲載されたもので、タイトルは「いいねなんて、いらない。」。昨今の「インスタ映え」の風潮、そしてその背景にあるSNSを通じて自己承認を求める風潮に疑問を投げかける内容だ。
「人の『いいね』よりも自分の『いいね』」
コラムは、旅にでかける際にカメラをあえて置いていったという自身のエピソードから始まる。カメラを持っていると撮ることに気を取られ、旅を楽しめなくなっていることに気付いたためだという。
その上でふかわさんは、昨今の「インスタ映え」の風潮について次のようにつづる。
「もはや日常さえも撮影ベースで動く人が増えました。『映える』かどうかが大きな基準となった今、日常を切り取る行為は、後々振り返るためというより、『いいね』を獲得するため」
「それはきっと、不安の裏返し。自分の人生が幸せだと実感したい。みんなに幸せだと言われたい。そんなことは周囲が決めることではないのに。彼女たちは、インスタ映えする棺桶を選ぶのでしょうか」
ふかわさんは「それぞれの価値観ですから、『いいね』と言われる人生を否定はしません」としつつ、
「でも、私は、いらない。人の『いいね』よりも、自分の『いいね』がひとつあればいい」
と、自身の思いを書いた。
「鳥肌たった」「言いたかったこと全て詰まってる」
ふかわさんのコラムはネット上、特にツイッター上で大きな話題を呼び、
「私が言いたかったこと全て詰まってる」
「21世紀の不幸だと俺は思ってる」
「鳥肌たった 少し感動したよ」
「私も自分がいいねと思うものを大事にしたい」
といった共感の声がいくつも寄せられている。
文中にある「インスタ映えする棺桶」「残せる安心感よりも、残せない緊張感。今を油断したくない」といった表現を称賛する声も目立つ。
ちなみにこちらのコラムがツイッターで話題になったきっかけは、ある一般ユーザーが新聞紙面のコラム部分を撮影して投稿し、それが拡散されたためだ。当該ツイートには24日11時時点で約11万8000件もの「いいね」が付いている。