北朝鮮情勢の緊迫が続く2017年4月15日、ツイッターの「トレンド」欄に「ミサイル」「Jアラート」「国民保護サイレン」など、ミサイル発射に関連するキーワードが複数入るという現象が見られた。
ネットの一部では、「15日にミサイルを発射するらしい」という根拠不明の噂が広がっており、現象はこうした危機感を反映したものと見られる。
山田孝之さんも「正恩君頼むよ」
「ミサイルが飛んでこないことを信じて明日以降の食材を買うよ 正恩君頼むよ 同い年じゃないか」
15日昼、こうつぶやいたのは俳優の山田孝之さんだ。本人の言うとおり、奇しくも金正恩委員長とは同じ33歳。ツイート自体はとぼけたものだが、その内容は、「Xデーは15日」という、まことしやかな噂を前提としている。
「東京にミサイル!?!? おれ今日死ぬの?」
「お願いミサイルうたないで死にたくないよーーー」
「今日ミサイルが落ちて死ぬかもしれないし貯金全部おろしてこよ」
「明日日本にミサイルが飛んでくるの? LINEのタイムラインそれでいっぱいなんだけど...! めっちゃ怖い」
ツイッターではここ2、3日、若い世代を中心に、こうした書き込みが多数見られる。
北朝鮮では、15日は故・金日成主席の105回目の誕生日で「太陽節」と呼ばれる重要な祝日にあたる。国内外の一部メディアでは、北朝鮮がこの15日に合わせ、6回目となる核実験など、なんらかの行動に出る可能性が指摘されている。こうした報道に尾ひれがつき、「15日にミサイル発射」という憶測が生じたようだ。
国民保護サイレンは30万回以上再生
こうした不安を反映する形で、ツイッターで多くつぶやかれている言葉を集計する「トレンド」欄には15日午前ごろから、「ミサイル」「Jアラート」「国民保護サイレン」といったキーワードが相次いでランクインした。
このうち、「Jアラート」は、日本が武力攻撃などを受けた際、危険がある地域に避難などを呼びかけるために使われる警報システムだ。「国民保護サイレン」はその一環として、ミサイルなどの接近時に流される。
J-CASTニュースでは13日にこれらを紹介し、サイレンの音源を掲載。2日足らずで30万回近く再生されるなど、大きな注目を集めている(15日16時時点)。ツイッターでも、転載されたものなども含め拡散中だ。
日本に限った話ではない。韓国でも10日ごろからSNSで、「27日に米国が北朝鮮を攻撃する」といった書き込みが拡散され、政府がわざわざこれを否定するなど、ちょっとしたパニックが発生している。
軍事パレードにはICBMと見られる新型ミサイルも
いずれにせよ、現時点では「15日にミサイル発射」という情報は、憶測の域を出ない。
一方でその15日、平壌で行われた軍事パレードでは、大陸間弾道ミサイル(ICBM)と見られる新型ミサイルが初めて公開された。
北朝鮮は以前から、米国を直接攻撃可能な核ミサイルの開発を進めてきた。最近ではすでに米本土を照準に収めたと主張、その行動次第では、「われわれの超強硬対応は生存を許さない破滅的懲罰を目標に無慈悲に加えられる」(14日、朝鮮中央通信が伝えた朝鮮人民軍総参謀部のコメント)と宣言している。
15日のパレードで披露された新型ミサイルは、韓国・聯合ニュースによれば従来のものよりさらに大型化しているとされる。パレードへの登場は本土攻撃をちらつかせることで、トランプ政権を威嚇する目的と見られる。