女子大生宅に40代男が侵入 合鍵作るのは「こんなに簡単」

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   新生活が始まる人の多い春、福岡県警察が「鍵の盗み見に注意」とツイッターで呼びかけた。鍵番号と鍵メーカーさえ分かれば、元の鍵や身分証などが無くても合鍵は作製できるという。

   この手口で、鍵番号を盗み見られて女子大学生が住居侵入された事件もあった。予防策はあるのか。

  • 鍵番号の盗み見に注意
    鍵番号の盗み見に注意
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鍵に印字された「鍵番号」と「メーカー名」でネット注文

   「福岡県警察本部安全安心まちづくり推進室」が新年度直前の2017年3月29日、「これから一人暮らしを始める方は『鍵の盗み見』にご注意を!なんと、自分の持っている鍵の番号だけで合鍵が作れてしまうんです!」と、ツイッターで注意喚起した。鍵に印字された「鍵番号」と「メーカー名」さえ分かれば、インターネットの業者を利用して合鍵を入手できるのだという。

   ネット上の合鍵業者を見てみると、鍵のメーカーを選択し、鍵番号を入力すれば注文できるサイトがいくつか見つかる。メーカー名については代表的な鍵の形を写真付きで示している場合が多いため、はっきりとメーカー名を覚えていなくても推測できそうではある。

   16年9月には愛媛県松山市で、40代の男が女子大生宅に合鍵を使って侵入する事件があった。当時の複数の報道によると、男はマンション管理会社社員を装って女子大生宅を訪問し、鍵を提示させてメモした鍵番号とメーカー名をもとに、ネット業者で注文していた。松山簡易裁判所は同年12月、住居侵入や窃盗などの罪で男に懲役2年6か月(保護観察付きの執行猶予4年)の判決を言い渡している。

   合鍵作製のほか鍵に関するトラブル全般を扱う一般社団法人「カギの110番・カギの救急車」(東京都港区)の技術部担当者は4月5日、J-CASTニュース取材に対し「ネット業者では鍵番号とメーカー名だけで受注するところがほとんどです」として防犯面を憂慮していた。同法人は全国に店舗を構えており、「うちで合鍵を作製するには、元鍵の現物を店舗で見せていただく必要があります」という。

鍵番号の盗み見を防ぐには?

   鍵番号の「盗み見」を防ぐにはどうすればよいのか。カギの110番・カギの救急車の同担当者は「まずは自己管理です。特に家の鍵は、財産と命を守るほど大切なものだという意識を持つ方がよいでしょう」とした上で、予防策を話した。

「鍵番号が見えないよう、専用のキーキャップを装着するのが実践しやすいと思います。また、基本的には、合鍵には元鍵の番号は記載されないため、合鍵から合鍵は作製できませんので、はじめから自分で合鍵を作ってそちらを持ち歩くようにし、元鍵は大切に保管しておく方法もあります。さらに厳重な対策としては、ユーザー登録をした本人以外は合鍵を作製できないタイプの鍵もあります」

   また、「元鍵に印字された鍵番号を削って消す」方法もあるものの「いざ本当に合鍵が必要になった時に、もう作製できなくなるというデメリットはあります」としている。

   鍵メーカー大手の美和ロック(東京都港区)広報担当者にも話を聞くと、「家の鍵は重要な個人情報のかたまりだと思って、取り扱いに注意する意識が必要です。鍵は安易に他人に見せない・貸さないのが防犯の基本です。例えば、キーチェーンなどを使ってバッグや衣服に取り付け、外から見える状態で持ち歩くのは避けた方がよいでしょう」と話す。同社では公式サイトでも「鍵のお取扱いにご注意ください」とのページを設け、「キーケース等に入れ、外から見えないように持ち歩きましょう」などと記載している。

   前出の事件のように、マンション管理会社などを装って見せてほしいと頼まれた場合については、「そもそも家の鍵を見せるよう求められた時点で注意すべきでしょう。相手の身分を確認するなど、立ち止まって考えた方がよいと思います」と話している。

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