「ぎゃああああ!パクられたあああ!」。アートな電気製品も製造する芸術ユニット「明和電機」の土佐信道社長のツイートが話題になっている。
明和電機の看板製品の一つが魚の骨をモチーフにした「魚器(なき)」シリーズ。その中の「魚コードUSBケーブル」のそっくりなニセモノがショップで売られていることを知った土佐社長は、自らショップに出向き全て買い取った後、自社のオリジナルパッケージに入れ再販した。その経緯をツイッターで克明に説明したからだ。
「作った本人が言うのもなんですが・・よくできてます」
「明和電機の魚コードパクられとるやんw」
土佐社長は2017年3月30日、ツイッターで、一般の人からこんな報告を受けると、
「みなさーん、魚コードUSBの本物はこっちですよ~」
と自社の本物の商品の写真をツイッターにアップし、偽物を販売していた面白雑貨ショップ「Flying Tiger」の運営会社「ゼブラ ジャパン」に、抗議の電話をするとともに、自ら渋谷にあるショップに出かけて売り場の写真を撮影しツイッターにアップ。そして、
「ぎゃはは!売ってました!ニセ魚コードUSB。お店の方に訪ねると『新商品になります~』とのこと」
とツイートし、在庫を含めこの店にある「ニセ魚コードUSB」を買い締めたと報告した。
さらに、アトリエに戻り本物と偽物の比較検証を始め、ツイッターで
「作った本人が言うのもなんですが・・よくできてます」
とし、高詳細の3Dスキャンを行い本物とそっくりな金型を新しく作って製造した可能性があるとした。
そのうえで、買い占めた偽物を自社のオリジナルパッケージにリメイクし、自筆のサインを入れて自分たちのショップで再販した、と報告した。これに対して、ツイッターでは、
「明和電機やるなぁw 買い占めてリメイクしてオリジナルに戻すってwww」
「あっはっは! その発想はなかった! 明和電機さんナイスすぎる!!!」
と喝采が起きた。
J-CASTニュースが土佐社長に3月31日に取材したところ、開口一番、
「全く同じですね。パクられました」
と語った。
「事業報告ショー」で詳しく解説予定
土佐社長によると、本物はアンドロイド対応だが、偽物はiPhone対応になっていることが違う。また、接続すれば本物は目がキリッと光るが、偽物は頬の部分が鈍く光る。値段は、本物が2700円が相場だが、偽物は600円とかなり安価で販売されていた。
土佐社長は
「これは中国の工場が、だまって金型をそのまま使って量産し、フライングタイガーがパクリと知らず仕入れて販売、という路線だな」
と投稿し、これだけ安価な場合は大量に製造され、世界中で販売されている可能性があると分析している。以前にも「魚コードストラップ」が中国でパクられて販売された事があるが、「犯人」を突き止めるのは難しいのではないか、と困っていたという。
今後、専門家を呼び、2017年4月14日(金)に東京品川区の「スクエア荏原 ひらつかホール」で開くライブ・ショー「明和電機・事業報告ショー」(開演19:00、入場料前売り2500円、当日3000円)で詳しく紹介するため、皆さんにお越しいただきたい、と話している。
偽物を仕入れて販売したゼブラ ジャパンは31日、J-CASTニュースの取材に対して、
「問題の商品は全て回収し、既に店頭には置いておりません。どうしてこのような事になったかについては現在調査中です」
と話している。