今村雅弘復興相(70)が2017年2月28日の参院予算委員会で、人気アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」のネクタイを着用していたことが、ファンの間で密かな話題を呼んでいる。
いったい、今村氏はなぜ「エヴァ柄」のネクタイを選んだのだろうか。ネット上には、「(エヴァが)好きなのかな?」「政治家でも普通にアニオタが紛れてる時代」などと面白がって推測する声も出ているが、はたしてその理由は――。J-CASTニュースが、今村氏本人に聞いた。
福島県にあるガイナックス社
今村氏が2月28日に締めていたネクタイは、過去に「エヴァ」の版権を持っていたアニメ制作会社の「ガイナックス」が2009年に発売したもの。同作に登場するキャラクターが全面に大きくプリントされており、遠目にもアニメグッズだと分かるデザインになっている。
このネクタイを着用した今村氏は、参院予算委員会で安倍晋三首相の真後ろの席に座っていた。そのため、NHKの国会中継でも「エヴァ柄」ネクタイが何度も画面に映り込むことに。これに気付いたネットユーザーからは、ツイッターに、
「安倍総理の後ろにチラチラ見切れててめちゃくちゃおもしろかった」
「そもそもなんでエヴァネクタイ」
「どこで買ったんですか?って聞きたい」
などの書き込みが寄せられることになった。
いったいなぜ、今村氏は「エヴァ柄」のネクタイを着用していたのか。実は、予算委員会が始まる前の28日朝に復興庁で行われた会見の中で、本人がその理由を明かしていた。
復興庁公式サイトに掲載された会見録によれば、今村氏のネクタイに注目した記者から会見中に、
「大臣、今日、ネクタイが特徴的ですけれど、何かあるんでしょうか」
との質問が出た。これに対し今村氏は、「(ネクタイは)福島県三春町のガイナックス社に行ったときに頂いた」と返答。その上で、
「風評対策を含めて、とにかく地元のいろいろ企業を元気にしようという思いで、今日は締めてきたということです」
と理由を説明していた。ガイナックスは15年4月、被災地の復興を支援するために福島県三春町に子会社の「福島ガイナックス」を設立している。
会見録によれば、今村氏は続けて、このネクタイを安倍晋三首相や麻生太郎財務相に見せたというエピソードも披露した。その際、2人は「大変物欲しそうな顔をしておられた」という。
今村大臣「(エヴァは)もちろん見たことがあります」
被災地を応援するためにこのネクタイを締めたという今村氏だが、そもそも「エヴァ」という作品は知っているのだろうか。3月2日のJ-CASTニュースの電話取材に応じた今村氏は、
「ちょっとではありますが、もちろん作品は見たことがありますよ」
と話す。
遠目から見ても分かる「エヴァ柄」のネクタイを締めることについて、今村氏は「最初は孫にも笑われて、恥ずかしかったですよ」と振り返る。だが続けて、
「でも、このネクタイを着けていると、周りの人が興味を持って『何ですか?』と聞いてくる。そこで私が『福島の企業を応援するためです』と理由を説明すると、皆さん納得して頂ける。こうした宣伝にもなるから、とてもありがたいネクタイです(笑)」
などと、その「魅力」を力説していた。
今村氏によれば、福島ガイナックスからネクタイを貰ったのは1月28日だというが、すでに「5~6回は締めているんじゃないですか」。また、2月28日の参院予算委員会のネクタイに選んだ理由については、こう話していた。
「私は安倍首相の後ろの席だから、テレビの中継にも映ります。なので、福島の皆さんにもネクタイに気付いていただける。私なりに、『応援しています』というメッセージを伝えたかったんです」
2011年3月11日に発生した東日本大震災から、まもなく6年がたつ。